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SIM's memo

Books, Foods, Rock 'n' Roll…and more!

Thoughts

後藤明生revisited(下)

後藤明生が醸し出すグルーヴ感に浸ること 『挟み撃ち』は当時の僕にとってはロックであり、リズム&ブルースだった。ちょっと抽象的な表現だけれども、要はこういうことである。日々の労働に浸された身体にとって、リズム&ブルースというスウィング感のある…

後藤明生revisited(上)

ついにコレクションが 最近、後藤明生の周辺が賑やかだ。大変めでたいことである。思えば、彼が亡くなった1999年以降、僕はてっきり、ほどなく全集がでるものだと勝手に思っていた(しかもK談社で)。しかし時は流れ、彼の作品が気軽に読める文庫版も品切れ…

長めの原稿を書いていると

最近、長めの原稿を書いています 最近、とある自治体の下水道史の原稿を書いている。予定枚数は400字詰原稿用紙でおよそ320。卒論以上修論未満といったところか。書きはじめたのは、まだ蝉が鳴いていた頃。途中、資料がなくてペンディングを余儀なくされたの…

書籍を残し利用してもらうということ

先日、毎朝のルーティンワークとして、インターネット上の情報をあれこれ見ていたら、こんな記事を目にした。 「穴水町立図書館が寄贈図書廃棄」 www.chunichi.co.jp あー、またこんなことがあったのか。はてなブクマやtwitter上での反応の多くが、この処分…

蚕の世話をする

新しい桑の葉にちょっとだけテンションがあがった蚕(たぶん) 仲間のデザイナーが東京へ泊りがけの出張があるとのことで、彼女が世話をしている蚕の面倒を見ることになった。

仕事とコミュニケーション(3)

case3:コミュニケーションと段取り 最後に現在進行形の話を。来年3月に刊行予定の書籍の準備をそろそろはじめないといけないと思っている。けれども、急な仕事の対応に終われ、ついつい準備ができないでいる。自分の頭の中では、段取りのイメージが出来上…

仕事とコミュニケーション(2)

case2:五里霧中でライティング 次のケースは、つい昨夜まであったこと。東京の某制作会社から、国内の世界遺産を紹介する冊子の原稿作成の仕事での話。小生はライターさんに書いてもらった原稿をチェックしたり、場合によっては手直しをしたりするなどの仕…

仕事とコミュニケーション(1)

どうもご無沙汰しております。 夏ですねぇ。 暑いですねぇ。 みなさん、素敵なお盆をお過ごしかと思います。 小生、お盆関係なく、貧乏暇なし、仕事に邁進しております。 仕事に追われ、読書もままならない今日この頃。 最近思うことがあるのです。 なんだか…

小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(2)

石井友幸書簡を読む(1) では、今回公開された3通にはどのようなことが書かれているたのか?まず、昭和37(1962)年1月10日付書簡(便宜上、「書簡A」とする)を見てみよう。小林多喜二が築地署で拷問を受けて息をひきとる際、「『日本共産党万…

小林多喜二の最期を綴った書簡をめぐって(1)

2015年2月17日付毎日新聞社会面で「小林多喜二:最期、生々しく…隣室収監の学者が書簡に記す」が掲載された(webサイトでは16日夜配信)。

記憶の結晶

昨日の午前、そぼふる雨の中、戦争体験者の証言を録るためにとある女性の方のお宅へうかがった。その方は大正14(1925)年生まれだから、今年で89歳。ご自宅の急な階段をすいすい昇っていく姿に僕が呆然としていると、「いつも昇っているから元気な…

一対他の世界 ─『きょうの猫村さん』を読む(2)─

『きょうの猫村さん』の世界像 『きょうの猫村さん』3巻をお話する前に、この作品の世界像を見ておきましょう。身よりのない猫だった「猫村ねこ」(以下、猫村さんと略す)が、以前飼われて家のぼっちゃんに躾けられた家事全般の能力を見込まれて、たまたま…

一対他の世界 ─『きょうの猫村さん』を読む(1)─

えー、皆さんはじめまして。数年前、志賀直哉の『暗夜行路』における主人公とその妻との関係について、ジョン・バースのエッセイをモチーフに語ったことがありました*1。今回は、最近ふたたび読み返した漫画をとりあげようと思ってます。その漫画とは『きょ…

心情的テロルと詩的想像力(3)

酔蜂和田久太郎がその短い生涯の中で俳句をつくっていた時期というのはわずか10年足らずだっただろうか。とりわけ、戒厳司令官福田雅太郎大将の襲撃に失敗して捕まってから、昭和2(1927)年に出版された『獄窓から』という文集には、俳句のみならず…

心情的テロルと詩的想像力(2)

労働運動社で大杉栄とともに行動していた村木源次郎が、雑誌『改造』の大杉栄追悼特集の中で「どん底時代の大杉」を書いている。その中で、大杉と伊藤野枝たちの遺児で長女であるマコ(魔子、当時7歳)におくった童謡も綴っている(『祖国と自由』第1巻第…

心情的テロルと詩的想像力(1)

今から91年前の1923(大正12)年9月1日午前11時58分、相模湾北西沖80kmを震源とするマグニチュード7.9の地震が発生した。いわゆる「関東大震災」である。この地震の混乱に乗じて、大杉栄、伊藤野枝らを殺害した報復として、当時の戒厳司…

つくる、いただく、かんがえる

先日、勉強のためにとあるカフェへの取材を同行させてもらった。

情報の収集

情報の収集方法は人によって千差万別。大局的に見れば、方法はさほど変わらないだろう。けれども、よくよく見てみると、人の数だけその方法は異なる。 たとえば僕の場合、まずはてなのトップページにある「はてなブックマーク」をボーッとながめる。それぞれ…

性格診断からノイズへ

はてなブログの読者登録をしている方の記事を読んでいたら、性格診断のサイトが紹介されていたのでやってみた。

詐欺電話から考える親と老い

昨夜、母親(64)から不在着信の電話があった。かけなおすと、昨日の電話の件どうしたの?と言われ、一瞬「えっ」と思った。その日は実家に電話をしていない。しかし母親曰く、電話をしたという。よくよく話を聞いてみると、どうも僕が携帯電話の架空請求で…

嫉妬

「愛のさなかに生じる感情で、愛する人が自分以外の誰かを愛しているのではないかというおそれから来る」(『リトレ国語辞典』) 上の引用文は、ロラン・バルト『恋愛のディスクール・断章』(邦訳:みすず書房)に収録されている「嫉妬」の劈頭に掲げられて…

身体的欲求と温泉

ここ最近、個人的に空前の温泉ブームがやってきている。きっかけは、2週間前に発症した坐骨神経痛を癒すためだった。普段浴槽にお湯をはることなく、シャワーですませてきた者とすれば、広々としたところでお湯につかるのが想像以上に気持ちがいい。なので…

AVについて勝手ながら真面目に向き合ってみる(3)

何故ぼくはAVを見続けるのか? 前回の記事で、ぼくは「何故AVを見続けるのか?」という問いに対して、「AVを通じて『ぼく』という存在をつねに対自化していかないと不安なため、そしてそんな不安な状態にもかかわらず、それが揺籃のように心地よく、逃げ場と…

AVについて勝手ながら真面目に向き合ってみる(2)

AV女優という存在 そもそも、AV女優というペルソナには、「性の商品化」あるいは「自由意志」がくっついている。そのペルソナを身につけながら、彼女たちはカメラに向けて饒舌に「わたし」を語る。「AV女優」というペルソナは基本的に、だれかから強制的にさ…

AVについて勝手ながら真面目に向き合ってみる(1)

2013年9月のおわり頃に書いた記事のアクセスがやたらと多かった。調べてみると、"Gunosy"という登録者の興味にあった情報を収集してくれるサイトからのアクセスだった。

AVの昨日・今日・明日(2)

AV監督のカンパニー松尾は、ヴィデオ・カメラ片手に、様々な女性たちと対峙してきた。彼のスタイルはいわゆる「ハメ撮り」という。カメラ片手に自らが行為に及ぶところを撮影のことだ。AVのレゾン・デートルを単刀直入に、見る側のマスターベーションの一助…

AVの昨日・今日・明日(1)

昨日、サイゾーに掲載されていたAV*1男優の加藤鷹のインタビュー記事を読んだ。加藤は最近、AV男優を「卒業」すると宣言し、インターネットのニュースでも取り上げられていた。まあ、それくらいこの業界では有名な人物である。その加藤が、3年前からAV男優を…

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(4)〜

門をくぐれた御米、くぐれなかった宗助(2) 宗助が御米の心身の不調と入れ替わるように、不安に苛まれる直接のきっかけとなったのが、かつての友人安井の存在であった。崖上に住む大家の坂井家主人の弟が蒙古におり、そこで知り合った友人というのが安井で…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(11)

まとめ 以上で現行憲法と改正草案の前文を読み比べながら、改正草案前文を批判的に検討してきた。ここで再度、(9)で述べた改正草案前文の批判にあたってのポイントを述べておこう。 「人類普遍の原理」の削除(3・6) 「他者」の排除(4) 「天賦人権…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(10)

天賦人権説をめぐって そもそも「天賦人権説」とは何か?この「説」の基になっている「天賦人権」という言葉の意味を調べると、こう記載されている。なお、参考までに「天賦人権説」の辞書上での意味も記載しておく。 【天賦人権】 天がすべての人に対して平…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(9)

現行憲法と改正草案を読み比べる 〜最終段〜 それぞれの前文の最終段を見てみよう。 【現行憲法】 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ 【改正草案】 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(8)

「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」そして「自由」 「公共の福祉」(public welfare)とは、AとBがそれぞれの権利を主張した際、多種多様な人間が生活する社会なので、どうしても互いの権利をめぐって衝突せざるを得なくなる場面が出てくる。また人権には…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(7)

現行憲法と改正草案を読み比べる 〜第3段(下)〜 前回は、改正草案前文の第3段で述べられている「…であるべき」という「当然」のニュアンスについて、『日本国憲法前文に関する基礎的資料』(衆憲資第32 号、以下『資料』と略す)に掲載されている前文の…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(6)

現行憲法と改正草案を読み比べる 〜第3段(中)〜 それでは、改正草案前文第3段は、どのように述べられているだろう。

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(5)

現行憲法と改正草案を読み比べる 〜第3段(上)〜 つづいて前文第3段では、国際社会における「国際協調主義」を宣言している。

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(4)

現行憲法と改正草案を読み比べる 〜第2段〜 つづいて、前文第2段を読んでみる。まずは現行憲法から。

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(3)

さて、今回読み比べで参照した資料をまずは列記しておく。 衆議院憲法調査委員会事務局『日本国憲法前文に関する基礎的資料』(2003年) 自由民主党『日本国憲法改正草案(全文)』(2012年) 自由民主党『日本国憲法改正草案Q&A』(2012年) 「…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(2)

なにゆえに前文を? 現行憲法と改正草案を読み比べる前に、何故おまえは条文を読むのではなく前文を読むのか?という点を述べておきたい。それは以下の2つの理由からである。 前文に現行憲法の原理が明確に宣言されているから 現行憲法の前文の法規範性 1…

日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(1)

先日、ビデオニュース・ドットコムのニュース・コメンタリーを見ていたら、7月3日の日本記者クラブ主催の主要9党首による討論会のことが語られていた。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(3)〜

門をくぐれた御米、くぐれなかった宗助(1) もともと身体が丈夫ではない御米が、精神的疲労と緊張感から「発作」で寝込んでしまう場面がある。そこに至る伏線を箇条書きしておこう。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(2)〜

御米という存在 野中宗助の妻御米はどう描かれているのか。まずはこちらを読んでみよう。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(1)〜

明治43(1910)年に発表された漱石の『門』を久しぶりに読み返した。最近、あまり小説を読まなかった(読めなかった)が、一気に読了した。今読んでも古さを感じさせない。あれこれ、問いがちりばめられている。これこそ、文学の文学たる由縁だろう。…

悩むこと

ひところ、『悩む力』という書籍がかなり売れたのは記憶に新しい。僕自身、よくあれこれどうでもいいことで悩んでいる。そういう意味では、「悩む力」はあるのかもしれない。だけど、振り返ってみて、所詮表層的なところで撞着しているだけの話である。滑稽…

M:Most of us are sad

喜びの時は一瞬だけど、悲しい時は長く静かにひきずる。質量化してみれば、おそらく同じ割合なのだろうけど、感じ方はまったく違う。漱石の『草枕』の冒頭は有名だけど、読んでみると、ベースにあるのはロングテールのような長い長い哀しみのような気がする…

序列化された「いのち」

昨今の日本と東アジア周辺諸国との様々な軋轢は、何も今にはじまったことではない。振り返れば一世紀以上も前から続いていることである。 歴史学者である小松 裕による『「いのち」と帝国日本』は、「いのち」をキーワードに据え、出来るだけ多くの声なき声…