SIM's memo

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I Thought I Was a Child

 深夜、作業を中断してiPodのアップデート待ちをしていた時、不意に涙がこみ上げてきた。これまで不意に涙がこみあげてきたというのはほとんどなかった。最後に涙を流したのは、昨夏に師匠の通夜・告別式の時である。しかしその時の感情とはまったく異なる。急になんとも言えない悲しみがこみあげてきて、涙がでそうになった。
 
 最近の精神状態の不安定さには様々な要因があるのだが、その根本にあるのが「不安」。何に不安なのか?「将来に対するぼんやりとした不安」と言ったって、「不安」はもともとぼんやりとしたものなのだから当たり前の話である。「不安」は幾層にも折り重なっていて、ひとつひとつ説明するのは正直しんどい。ただ、「不安」の副産物が問題なのである。つまり「不安」な気持ちを紛らわす(あるいは逃げる)ために何かに溺れている状態。これが問題なのである。
 今回の問題で「不安」な状態をますます悪化させているのが、アルコールでもチョコレートでもなく、音楽そしてセックスにまつわること。とにかくやめられないとまらないのかっぱえびせん状態なのである。そしてよくよく考えてみたら、昨夏あたりからなのである(あれっ?)。「不安」な状態から逃れるために、刺激の強い出来事で誤摩化している状態である。セックスだって、そうだ。快楽のためとひとくちでいっても、実際は精神的満足は得られていないのは自分自身が一番わかっていたのだ。それさえも誤摩化してきた。それがここにきて、とうとう限界にきたのだろう。
 音楽については、正直あまりいい聴き方をしてきていない。仕事柄、様々な音楽を聴いている。しかし音楽は本来気持ちをリラックスさせたり、適度に興奮させやる気を起こさせたり、時には感情を揺さぶってクールダウンさせてくれるものだ。しかし、僕はそういう聴き方をしていなかった。とにかく、溺れていたのだ。アルコールが受付けられる体質だったら、間違いなくそっちへ向かっていっただろう。
 
 久しぶりに、Jackson Browneの"I Thought I Was a Child"を聴いた。1973年の2nd album"For Everyman"収録の佳曲だ。とてもしんみりした。歌詞がまたいい。
 
I thought I was a child until you turned and smiled
I thought that I was free but I'm just one more prisoner of time
Alone within the boundaries of my mind
I thought I was a child
 
Jackson Browneの音楽、とりわけ初期の作品を聴くと、愚かな自分自身のことを許したくなる。なんとなくだけど。そういえば、この頃のかれには常にどこか暗い影のようなものがつきまとっていたような気がする。だからそんな気分にさせてくれるのだろうか。
 

I Thought I Was A Child - Jackson Browne - For Everyman