SIM's memo

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Music Addict

Road to "演歌"

 ここ半年近く、3月末に放送予定の番組制作のため、明治〜大正期にかけて巷あるいは花柳界などではやっていた歌を聴き続けてきた。それまではまったくといっていい程、そのあたりの音楽に興味も関心もはらってこなった。しかしながら、仕事なのでせめて曲はちゃんと把握しておかなくてはいけない。そう思って、iPodにそれら曲をぶちこんで寝ながら聴いていた。ひと昔はやった睡眠学習である。当初は曲を聴いてもどれも似たような曲調でまったくわからなかった。なので、毎朝毎晩、好きな女性へメールをマメにするのを怠っても、100年近く前にはやった曲たちに親しむことだけはちゃんとやってきた。
 その結果、パッと聴いても「あ、○○だな」とわかるようになり、さらに歌えるようにまでなった。これじゃまるで流しをやるために頑張ってるしがないオヤジである。しかし、だんだんと聴いていくうちに結構いいじゃん!と思えるようにもなった。好みじゃない男から散々言いよられて靡いてしまう女性の気持ちがほんの少しだけわかるような気がした。
 

音楽チャンポンは精神を不安定にさせます。

 一方で、昔のはやり唄を聴き、もう一方でRockやSoulなどを聴き続けていた。それを数ヶ月続けていたら、昨年末から精神的に不安定になってしまった。その頃の音楽のが充満していた世界にこころを置いてきてしまったような状態になった。
 最近、同僚にここ半年間聴き続けてきた音楽を聴いてもらった。それで、何故ぼくがここ最近精神的に不安定だったのかを理解してくれた。そして「そういう聴き方はよくないから、少し対象から離れてみるのもいい番組をつくるために必要だ」と諭された。まったくもって、音楽チャンポンは聴いている人間のこころにこっそりと忍び寄って悪魔のささやきをする。でもこれが止められないんすよねぇ。まあ、だからaddictedだったのだろう。
 

昔聴いていた曲で和んでみる

 そんな状況だったので、久方ぶりにPower Popものを聴き直してみた。これがまたいいのだ。懐かしさがないといったら嘘になるけれども、少なくともこころが落ち着けた。おそらく、あの頃無我夢中で聴いていた気持ちがこころのどこかで蘇ってきたのかもしれない。10代後半から20代前半のような音楽の聴き方は今はもうできない。けれども、音楽への愛情はゆっくりと深まっているように感じる。大人になってよかったと数少ないことのひとつである。


Silver Sun - Hey Girl Friend