SIM's memo

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手紙を書くこと

 気づいたら、既に3月も4日を過ぎようとしている。先月末ころから文章ばかり書いていて、年度末の恒例行事になってしまっている。今年は、特番のナレーション原稿に所属している研究会に出す論文を並行して書いている。正直辛いが、楽しい気持ちでもある。
 
 孤独な気持ちでいる時ほど、文章を書くのは楽しい。自分と対話する時間は大切だな、と思う。そういえば、20代のころはまめに手紙を書いていた。その時付き合っている人がいれば、その人に。付き合っている人がいなくても、お世話になっている方や異性の友人にも書いていた。いつからだろう、手紙を書くのが億劫になってしまったのは。メールのせいにするのは間違っている。年齢を重ねて怠けてきたのだろうか。
 手紙のよさは、書いてポストに投函して相手に届くまでの時間にあると思う。メールだと、瞬時に相手へ届く。その間の気持ちの準備や熟成がほとんどない。手紙は相手に届くまでの間に熟成する。書いてしまったらそれでおしまいではない。相手が手紙を受け取って読む。それまでに綴った気持ちがゆっくりと紙に浸透し、相手に届くころに書いた時よりも柔らかに気持ちが伝わる。ラブレターを好きな人に出している人って、今もいるのだろうか。
 
 昔もらった手紙がなかなか捨てられない。いわゆるラブレターというものはあまりもらった記憶がない。なので、躊躇なく捨てられそうなのだがそうもできない。もし捨てるとすれば、お札と一緒にお焚き上げしようと思っている。少々湿り気を含んだ落葉を集めて、いきつけの神社の境内で勝手にお焚き上げをする。煙がゆらゆらと空にむかって昇ってゆく。きっと、書いてくれた人のところへ戻っていくのだろう。それでいい。今はメールで瞬時に消去もできる。何も残さずに。それはそれで、結構寂しいし、変に気持ちが残ってしまうような気がしてしまう。