SIM's memo

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他人のそら似

 前回の続き。茨城は結城にあるアルチザンのオーナーが、先日お父様の手術に付き添った時のこと。担当医の先生が顔も背格好も声も僕に似ていたのに驚いたというのだ。で、名前を確認したら違っていた。ただもしやと、思い僕と腹違いのお兄さんですか、と聞こうかどうか迷った、という。
 
 僕に似ている人を見かけた、という話を結構聞く。栃木に来てからその手の話を10回近くは聞いている。たとえば、ファミレスに女性と食事をしていた(これは友人が見かけたので、すぐに連絡してきた。その時僕は自宅でダラダラしていた)。自転車で市街を颯爽と走っていた(僕はそんなスポーティなことはしていない)。はたまた、キレイな女性と寿司屋に入っていくのを見たとか。今思い返すと、僕に似た人たちはいずれも楽しそう、あるいはいい思いをしている。そして当の僕は、ちっとも楽しい思いをしていなく、安い給料でささやかな楽しみを見つけて生きていこうとしている。なんだか、おかしい。
 
 実際、僕がその自分に似ている人を見たとしても、きっとあまり似てないなあ、と思うのが関の山だろう。こういう話を聞くと、僕という人間を他者はどう見ているのかがわかって、これはこれで興味深い。以前、常務取締役が新しく入ってきた方を僕がいる部署に連れて挨拶にきた時のことだった。僕はその時、東京にいたので不在だった。で、その常務が「あと、もうひとり女好きな男がいるんだけど」とぼくのことを紹介したらしい(同僚談)。常務はそう見ていたのか!と思いビックリした。そのあと、仕事は真面目にやるってフォローしていたらしいが、これはまったくフォローになっていない。
 とにかく、自分に似ている人がこんなせまい環境でも結構いる、ということは、自分に似た人がいたという話は、他者が自分をどう見ているかという鏡のような気もする。なんだか怖いな。