蟄居屏息
僕という人間をある程度知っている人、あるいは拙ブログを読んで下さってる方はおわかりかもしれないが、現在蟄居状態である。理由はいくつかあるが、女性関係でそういう仕儀になった訳じゃない(なりそうにはなったが、それはまた別の話)。色々と事情が変わってきて、大なり小なり組織にいるというのは難しいものである。そんな訳で、いくつか仕事が手許からすべりおち、口は出せても手が出せないもどかしい日々が続いている。正直、こころ穏やかではない。精神的蟄居という表現が正確に現状をあらわしているかもしれない。
こういう状態の唯一の利点は、読書ができること。ある大きな(自分にとっての)プロジェクトが終わって、移行期という蟄居状態の時じゃないと読めないのがトマス・ピンチョンの『逆光(上・下)』(新潮社)上下2段組みで1100ページ余ある上、登場人物がドストエフスキー並に多く、おいそれと把握出来ないときた。しかし、過去のピンチョン作品と比べて読みやすいとのこと。ウィスキーをなめるようにちびちびと読める本ではないけれども、気分的にはそんな感じ。ピンチョンのひねくれ具合と自分の今の精神状態はそれなりに親和性があって、ちょうどいいのかもしれない。
- 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,木原善彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/09
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