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日本国憲法前文をはじめてちゃんと読む(1)

 先日、ビデオニュース・ドットコムのニュース・コメンタリーを見ていたら、7月3日の日本記者クラブ主催の主要9党首による討論会のことが語られていた。

その中で、ビデオニュース・ドットコムの主宰者でもある神保哲生氏が指摘していた、社民党福島党首の立憲主義に対する安倍首相の答えが看過できない問題だった。以下にまず、安倍首相がどう答えたかを引用する*1

安倍:立憲主義についてはですね、憲法というのは権力を縛るものだ。確かにそういう側面があります。しかし、いわば、すべて権力を縛るものであるという考え方としては、王権の時代、専制主義的な政府に対する憲法という考え方であって、今民主主義の国家であります。その民主主義の国家である以上、同時に権力を縛るものであると同時に、国の姿についてそれは書き込んでいくものなんだろうと私たちは考えております。

今回、看過出来ないと思ったのは、引用した太字の箇所である。そもそも立憲主義というのは、国家権力を憲法によって縛ることである(詳しくは、こちらのサイトを読んでいただけるとわかりやすい)。そして立憲主義とは、絶対君主への権力集中から個人の権利・自由を守る動きから出て来たものである。となると、安倍首相が前提としている「王権の時代、専制主義的な政府に対する憲法」というのは矛盾する訳である。あくまでも、立憲主義とは、国家権力を憲法によって制限しようとする原理であり、憲法は国家権力による権力の濫用から個人の人権・自由をまもるためものである。
 
 そう思ったら、そもそも僕は日本国憲法をちゃんと読んだことがないことに気づいた。来週末には参議院選挙がある。焦点のひとつが憲法改正問題でもある。ここで改めて、日本国憲法(以下、現行憲法と呼ぶ)と2012年4月に自民党が発表した憲法改正草案(以下、改正草案と呼ぶ)の特に前文を読み比べてみようと思った。憲法はどのような精神でもって謳われているかがわかると思ったからだ。なので、記事をあらためて読み比べてみたい(続く)。

*1:7月3日 2013年参院選 日本記者クラブ主催 党首討論会 2より