散歩(なのか?)
曰く付きの宇都宮城址公園・清明台(櫓)
仕事に必要な書籍を買いに行こうと紀伊國屋書店が入っているPARCOまで息抜きがてらぷらぷらしてきた。
寓居からPARCOまで約930m。思いのほか距離がある。天気のいい午後、見慣れた景色を敢えて撮影してやろうと、まず撮影したのが先ほどの櫓。防災公園として整備されたので、決してこれは文化財ありきの復元ではない。「曰く付き」というのは、あの堀や土塁は文書をもとに精緻に復元したものではないから。実際見ればわかるが、ビミョーなのだ。もっとも、「ビミョー」というのが宇都宮の合い言葉だから相応しいといえば相応しいのかもしれないけど。
清明台を背にし、信号を待つ先にぼんやりと映る白い建物こそ、目指すPARCO。地代がむちゃくちゃ高いことで有名である。
しばらく歩くと、「みはし通り」という商店街に入る。美観のため、電柱を地下に埋めたので、比較的すっきりとしている。
そのみはし通りの名の由来「みはし」の下を流れる釜川ともみじ、そして敢えて見切れての擬宝珠(ぎぼし)。もみじの美しさは、こちらも「ビミョー」。こういうところは、宇都宮はブレていない。
そんな訳で、無事?PARCOに到着し、目的の書籍を買い、また来た道をてくてく歩く。「みはし」をこえて右手の鰻屋の駐車場奥に大谷石でつくられた蔵が見える。カフェだ。
もともと、老舗の鰻店「なかむら」の改築で陽の目をみた店所有の大谷石蔵をカフェとして復活させたらしい。カフェの名は"Cafe del' olive"。大谷石蔵の状態は思いのほか良好。凝灰岩特有の白色〜灰色が見事で肌理もキレイ。2階を見上げると、こちらもカフェとして使用しているみたい。
蔵に使われていた鉄扉がいいアクセントになっている。典型的なこの地域の蔵の姿だ。中をのぞくと、気取ったおっさんがコーヒーを飲んでいた。何故かわからないけど、ちょっとげんなりして、写真を撮ってそそくさとあとにした。
宇都宮はカフェが多い。寓居近くでも10軒近くある。そのうちで行ったことがあるのが2件というのは、なんだかもったいないような気がしてきた。宇都宮の市街地が寂れてきて久しい。だけど、身近にこういう「私だけの部屋」と呼べそうなカフェがあるというのは、なんだかうれしくなってくる。息抜きの散歩ついでに行こう。友人を誘ってもいいかもしれないな。