SIM's memo

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U:うちの猫

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     りんご(♀:14歳)写真は1年前。だけど見た目は変わらず
 
 以前のブログ記事で、僕は動物が好きではないと書いた。それは今でも変わらない。しかし、実家にいる「りんご」という猫は特別である。

 なぜだろうと考えた。おそらく、かけがえのない家族だと思っているからだろう。何をいまさらと言われそうだけど、改めて考えると、そう思うのだ。振り返れば、彼女が高校生だった弟が拾って来て実家にやってきたのが、1999年。当時大学生だった僕は、キリンジの2ndアルバムを購入して喜んでいたのをはっきり覚えている。やせ細り、鼻水をたらし、目やにで目がふさがっていたりんごは、瀕死の状態だった。当時実家には、バロンというアメリカン・ショートヘアの猫がいたのだが、新たに猫を飼うのに両親は消極的だった。しかし、僕が半ば無責任にも「かわいそうだから」と言ったので、りんごは我が家の新たな住人となった。
 その後、「かわいそうだ」と言った当人は、卒論などで忙しくて面倒をみず、もっぱら母親が世話をしていた。おかげでりんごは回復。すくすくと育った。「おにいちゃん」でもあるバロンと遊ぼうとするも、バロンはいつも面倒くさそうに相手をする姿は微笑ましかった。
 
 母親が長期入院した時、枕元に置いていたのは、携帯ラジオとバロンとりんごがひとつの猫ベットに一緒に入って寝ている写真だった。この写真は色褪せてしまっているけど、今でも実家のテレビの前に飾られている。そして、りんごの世話を面倒くさそうな顔をしてみていたバロンはどこかへ旅立ってしまった。何匹かの猫が実家へやって来ては死んで行ったけど、りんごは今日も元気にすずめをみつけては獲ろうとベランダから空を見上げているのだろう。
 
 りんごも人間の年齢だとすでに老境の域に入っている。一日でも長生きして欲しいというのは正直な気持ち。実家から離れて暮らしているので、そんなに頻繁には会えない。だけど、元気で寝ているということを聞くと、ほっとする。その時、りんごはやっぱり猫ではなく家族なんだと思う。