SIM's memo

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短気は損気

 僕は短気である。そのことを他の人に言うと、ほとんどの人が驚く。どうも、僕は喜怒哀楽ははっきりしているけど、基本的に冷静だと思われているようだ。そういえば昨年末、重要な会議があった時、出席していた偉い先生方から集中砲火を浴びたことがあった。一緒にいた当時の上司はハラハラしながら僕を見ていたようだが、こちらはまったく表情を変えずに淡々と話していたので驚いていた。しかし、この時の僕の心中たるや、はらわたが煮えくり返るようでfour letter wordを連呼していた。
 
 そんな訳で年齢とともに、TPOを多少わきまえてつとめて冷静に振る舞うように訓練してきた。では具体的にどんな訓練をしてきたのかというと、はっきりとこれです!と言えるものはない。ただ、ひとつ参考にしたことがある。学生の頃に読んだエッカーマンの『ゲーテとの対話』に書かれたエピソードである。ゲーテの知り合いだという高貴な人が自身の短気で怒りっぽい性格をわかっているため、イライラしたり怒りが込み上げたとき、そうした感情を抑えるため別の部屋に行って一人になるということが書いてあった(うるおぼえ)。このエピソードを読んだ時、なるほど、と思ったので、なるべくそのようにできるシチュエーションの場合は、このエピソードを真似てみた。そうすると、時間(=年齢)とともに、少しずつではあるばイライラしたり怒りの感情をコントロールすることができてきたように思う。でも怒りっぽいことには変わりないけれども。
 
 「アンガーマネージメント」によると、怒りの原因はだれもが(ほぼ)持っている「コア・ビリーフ」=自分が正しいと思っている信念や価値観にあるらしい。そのため「大事なことは出来事そのものに怒りの責任はなく、あくまで自分自身の意味づけに原因がある」。となると、自分自身が持っている「コア・ビリーフ」が何なのか?を知ることが大切になる訳だ。
 このように書くと、言ってることはよくわかる。けれども、自分の怒りの原因を知ってそれに善処するというのは容易ではない。となると、アンガーマネジメントを紹介するサイトで簡単にできる対処法に挙げられていた「6秒ルール」が一番いいのかもしれない。「6秒ルール」は、怒りを感じたときに、6秒頭の中でカウントする方法。感情のまま行動に走ることを抑え、落ち着きを取り戻すことができるらしい。
 このやり方は、先述した『ゲーテとの対話』に登場するエピソードと似ている。つまり、自分自身をいかに瞬間的に落ち着け!と命令できるかにかかっている。それができないほどの怒りにかられるとなると、やっぱり普段から意識して息抜きを上手にしていかないといけないのかもしれない。そして、こころには常に避難場所を設けるのも大切だと思う。それがあるだけでも、多少なりともこころに余裕が生まれるはずだから。これもなるべく意識して持つようにしている。
 
 イライラするとき、「短気は損気」という格言を呪文のように唱えている。自己暗示も大切なんですよ、ハイ。