情報の収集
情報の収集方法は人によって千差万別。大局的に見れば、方法はさほど変わらないだろう。けれども、よくよく見てみると、人の数だけその方法は異なる。
たとえば僕の場合、まずはてなのトップページにある「はてなブックマーク」をボーッとながめる。それぞれのカテゴリーにブックマーク数が多いものが取り上げられている。これをながめていると、自分が必要としてある情報を収集する際には得られない情報が飛び込んでくることがある。個人的にこれを"Unexpected Information"とよんでいる。一例を挙げてみよう。
- 何気なくはてなブックマークをみていると、「人気」のカテゴリーに「『1枚』で、パワーポイントの品質と生産性を向上させるデザイン・テンプレート」というページが目に飛び込んできた。
- ザーッとみて、このページを運営しているサイトが気になり、トップページへ移動。
- 以前見たことのある「プレゼン資料のデザイン力がぐっと上がる、お勧めのデザインサイト7選」というページへのリンクがドーンと中央に掲載されているので、そちらへ移動。
- 7つ紹介されているサイトのうち、特に気になった「VISUALTHINKING|セカイヲマルクスル。」をクリック。
- このサイトで取り上げられた記事をいくつか見た後、「インフォグラフィック」なる言葉がとても気になり、このサイトの運営者が出した書籍『たのしいインフォグラフィック入門』がサイト右側で紹介されているので、そちらをクリック。
- この書籍のレヴューが気になり、密林(つまりAmazon)のサイトへ。
- あるレヴュアーさんが書いている文章を読むと、「リチャード・ワーマン」なる名前が目に飛び込んできた。誰だろうと気になり、ググってみる。
- 検索結果の最初にあったWikipediaによると、リチャード・ワーマンは「アメリカの建築家でグラフィック・デザイナーで、情報デザインや情報アーキテクチャといった、情報を分かりやすく表現する技術における先駆者」とのこと。で、日本語で彼の著書は読めるのかな、と思っていたら、検索結果の3番目に『理解の秘密』という彼の著書の監訳者である松岡正剛のサイト「松岡正剛の千夜一夜」でリチャード・ワーマンのエッセンスが紹介されていたので、こちらをクリック。
- なるほど、ワーマンのこの著書は、僕が以前より大変興味・関心を寄せていたこと、つまり情報や知識をいかにインストラクションしていくかが端的に書かれたインフォグラフィックの文法書だと気づき、ちょっと興奮した。
という訳で、知識のわらしべ長者よろしく、当初予想もしていなかった情報へ辿り着くことができた。そうして、僕は『たのしいインフォグラフィック』を購入し、現在は品切れになっている『理解の秘密』を場合によっては購入する可能性がかなり高いだろう。
1〜9まで列挙した一連の行動の底流しているのは、以前からの僕自身の関心事であった。その決定打が、松岡正剛だった。松岡の著書が以前から親しんできたので当然ながら「インフォグラフィック」にも絡んでいたという「再発見」できた訳である。
となると、一見すると偶然(accident)という見えないはりめぐらされた糸によって導かれた結果は、期せずして(unexpected)自分の興味・関心事を深化させることになった。webという語源を考えると(クモの巣)、この糸はあながち偶然という無数の糸によって張り巡らされたとは考えにくい。情報の収集とは、こうした見えない"accident"によってもたらされる"unexpected"な出会いが重要な要素となって、様々な成果へとつながっていくのだろう。
そんな訳で、今から旅へ行ってきます。
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