SIM's memo

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讃岐巡礼&苦行記(2)

 金刀比羅宮本宮に到着すると、慌ただしく本宮にお参りし例のお守りを購入するべく札所へ向かう。ちょうど水も売っていたので迷わず両方を購入。札所の向かい側にはられたテントには塩飴が置いてある。僕は躊躇なくいただいて舐める。これが身体にしみこむように美味しかった。ミネラルが足らなかったんだと理屈抜きで実感できる。本宮へ到着したという喜びよりも、身体が塩飴を舐めたことで生き返ったような感じになったことの方が嬉しかった。
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            三穂津神社付近から本宮方面を眺める
 
 本宮を後にし、帰りの階段を下りるのがまたキツかった。足がなかなか思う様に運べず、スムーズに下りられない。本宮を去ってから10分余。やっとの思いで大門まで下りることができた。大門を背にして琴平の街並を睥睨すると、あー、こんびらさんへやってきたんだな、とここでようやく実感出来た。
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 帰りに参道入口にあるお店で「かまたまソフトクリーム」というきざみネギとしょうゆをトッピングしたソフトクリームをいただく。暑さと汗でグダグダだったので、思いのほか美味しかった。しかし通常時食べたら、そんなに美味しいと思わないだろうなという味だと思う。それよりも、家族連れが購入していた和三盆ソフトの方が美味しそうに見えた。
 ちなみに、「幸福の黄色いお守り」(もっといいネーミングがあったはずだ)はこんな感じのお守り。
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鮮やかな鬱金色で染めあげられたお守りで、結構ふかふかとしていて厚みがある。どうやらこのお守りが出来上がるまでには29の工程があるようだ。原糸を精錬し染色、しかも奉製(通常「縫製」という字をあてるが、ここでは「奉」を用いている)はすべて手作業。かなり手のこんだお守りである。幸福になれるかどうかはともかく、美しい鬱金色に染められたお守りを見て持っているだけで、信心深くない僕でも有難いと思わせてくれる。
 
 丸亀方面の電車を待つ間、キオスクで水を購入。レジのおばさんに本宮までのぼったというと、暑い中奇特だといわんばかりに驚かれた。別に驚くことでもなかろうに、と思った。けれども、うだるような暑さの中、700段以上の階段をのぼって本宮に参るのは確かにいささかcrazyなのかもしれない。
 冷房がとてもよく効いた琴平駅始発の電車の中で出発するまでの間涼むことができた。これは本宮を参拝できた特典だと思った。しかし汗がひくどころか、冷たく身体にまとわりついて気持ちが悪かった。どうもここでも、修行の足りなさを痛感した。最後の最後まで有難や、こんぴらさん
 苦行のような巡礼という名の観光はこれだけでは終わらなかった。次に目ざす丸亀城も、金刀比羅宮に負けず劣らずの苦行であった(つづく)。