SIM's memo

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讃岐巡礼&苦行記(3)

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             訪れる人を圧倒する丸亀城の石垣
 
 JR琴平駅から土讃線に乗り、次に向かうのは今回の旅のメインイヴェント丸亀城跡。

高架にある丸亀駅を降りると、相変わらずむしむしとした暑さ。いったんひいた汗が歩くとすぐに噴き出してきた。駅から徒歩10分ほどで丸亀城跡に到着。
 
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 丸亀城(昭和28[1953]年国指定史跡:指定名称は「丸亀城跡」)は標高66mの亀山に築かれた平山城。別名・亀山城とも呼ばれ、城跡とその周辺は亀山公園とも呼ばれて親しまれている。東西約540m・南北約460mの規模である。
 迫力ある大手二の門・一の門(昭和32[1957]年、国指定重要文化財)をくぐると、目の前に50mはあるだろう急勾配の「見返り坂」がみえる。これをのぼるのか。午前中に金刀比羅宮を参拝した時の階段を思うとげんなりどころかかなり心が折れそうになる。しかし、立派な大手門を見て、丸亀城の石垣を見ずにここを引返す訳にはいかない。近くにある観光案内所で瞬間的に涼んでから、意を決してのぼる。
 かなりの勾配で息があがる。下りてくる観光客を横目に、かれらもここをのぼったのかと思っても特段勇気も希望も湧いてこない。他にもっとラクなルートがあるんじゃないかと邪推してしまう。金刀比羅宮で参拝した際の清廉な気持ちはこの時点もすでにない。暑さに悪態をつきたくなる位のキツさ。しかし、右手に見える石垣はとても素晴らしい。今から約400年前、当時の丸亀を治めていた山崎氏の時代に築かれたという。
 右に90度曲がる角に「石垣の美」という看板があった。
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このあたり(三の丸北側)の石垣は、丸亀城の石垣のなかでも最も高く、20m以上ある。人工の絶壁である。上を眺めると、「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線が見える。これを眺められただけでも十分満足です。はい、帰りまーす♡というにはあまりにも丸亀城は見所が多いので、はあはあ息を切らせながらのぼる。しかしここはまだ坂の途中なのである。
 
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三の丸へ向かう坂もキツい。木々に覆われていて日陰を歩くと涼しいと思いきや、日差しを遮ってくれるだけで特段涼しくない。都合100m近くある急勾配の坂道をのぼりノドが渇く。三の丸にあるトイレ休憩所に設置されてあった自動販売機で水を購入しようと思うも、どれもすべて売り切れ。仕方なく、リアルゴールドを右手を腰にあてて飲み干す。渇きは癒してくれた訳ではないが美味しかった。
 そして、ふらふらとのぼってゆくと、ようやく天守(昭和18[1943]年、国指定重要文化財)に到着した*1。3層3階の木造で、1660(万治元)年完成ということで四国ではもっとも古く、また現存する木造天守の中では日本で最も小さい規模という。入場料の200円を納め、各階に展示してある資料群をみる。急勾配の階段をのぼり最上階に到着。北側を眺めると瀬戸内海がすぐ目の前。公園からは、高校生クイズの四国・岡山予選がおこなわれていた。当時、風が強かったせいもあり、高所恐怖症の僕は長い時間外をみることができなかった。
 帰り際、係員のおじさんから、これはお客様のですか?と財布等が入った小さなポーチを渡される。そうだ、これは僕のだ。いつの間にか落としていたらしい。まったく気付かなかった。この中には、帰りの電車代とiPodが入っていた。係員の方に礼を述べると、ふらふらしながら木造天守をあとにした。
 
 丸亀に来たら、讃岐うどんと骨付き鳥を食べようと決めていたが、暑さでまったく食欲がわかなかった。またしても名物を食することなく、香川県をあとにした。その後、瀬戸内海を渡って、児島駅を下り、そそくさと用を済ませ(児島は昨春に訪れたので、写真は撮らなかった。その時の記事はこちら)、岡山を経由して夕方倉敷に到着。ホテルに戻って、すぐに風呂に入り汗を流した。これはこれで悪くないなあ、と思ったものの、この日の身体的ダメージがしばらく引きずるとはその時は思ってもいなかった。苦行はどこまでも苦行なのだ(つづく)。

*1:写真を誤って消してしまうという不手際があり掲載できず…