一期一曲（１）

The Beatles "I Feel Fine"（1964）

　
　ズゥーン〜という印象的なイントロではじまるこの曲が、僕とBeatlesの出会いだった。中学1年の夏のことである。父親が持っていた東芝EMIの古いカセットテープの1曲目に"I Feel Fine"が入っていた。この曲をはじめに聴かなかったら、果たしてBeatlesをここまで夢中になって聴いていなかっただろう。それ程のインパクトがこの曲にはあった。それにJohn Lennonの声とPaul McCartneyそしてGeorge Harrisonのコーラスもよかった。たった2分18秒でこれだけの曲がつくることできるのだ。数字で見るよりも聴いている時は短いとは思わなかった。今からちょうど半世紀前に発売されたという事実にも今更ながら驚いてしまうけれども。
　
　この曲を聴くと、当時夢中になって読んでいた星新一の作品（和田誠の装丁じゃないとダメだった）を思い出す。僕の一部があの時から形づくられた。そういう意味では大切な一曲である。
　

パスト・マスターズ vol.1&2