SIM's memo

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一期一曲(3)

T. Rex "Baby Strange"(1972)
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 夏といえばGlam Rockである。誰が何と言おうとも、である。やや無機質な音質にストリング・アレンジ、そしてシンプルなフレーズ。これが僕が思うGlam Rockの定義だ。そうした夏を感じさせてくれる(と個人的に思っている)Glam Rockでまず指を屈するのがこちら。Ringo Starrによるジャケット写真が印象的な"The Slider"というアルバムに収録されている。
 
 音があたかも歩いているかのようにリズムを刻むいわゆる"boogie"というスタイルを得意としたかれら(というか、guitarのMarc Bolan)のリフは、ただただカッコよく聴こえた。その発展形ともいえるのが今回選んだ曲。3分あまりでかれらの典型的スタイルともいえる"boogie"がArrangerのToni Viscontiによってこれまたカッコよく仕上がっている。文字通り、Glamorous Rockと呼ぶに相応しい。"The Slider"というアルバムは、代表作のひとつである"Metal Guru"や"Telegram Sam"がどうしても目立ってしまう。けれども、CDで聴いた当時の僕は、アルバムの終盤に差し掛かってのこの曲に妙な色気とインパクトを感じた。夏の湿気と暑さがこの曲にあっているとも。懐かしさというよりも、現在進行形で夏を感じさせてくれる曲なのだ。
 
 このアルバムを手にしてから数年後、大学に入った僕は、とある授業をはじめて受講した時に登壇した講師(♀)を見た。その時、「あっ、Marc Bolanがいる!」と心の中で叫んだ。髪型から顔の輪郭までそのまんまMarc Bolanだった。当然ながら?、その先生は僕が卒業するまでMarc Bolanだった。そしてひとり勝手に感動していた。
 

ザ・スライダー

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