一期一曲(10)
Bread "Make It with You"(1970)
夏の朝を想起させる曲は人によってさまざまだろう。個人的には、Breadの"Make It with You"をまず思い浮かべる。アコースティック・ギターのカッティングにはじまり、エレクトリック・ギター、そしてベース・ギターがアコースティック・ギターの音色をサポートするかのように絡みながら、David Gatesの歌声が融合する。とりわけ、途中からのストリングスがミディアム・テンポと相まって、夏の朝をより一層思い起こさせてくれる。
David Gatesのお母さんが、地元のインタビューワーからこの曲のきっかけを尋ねられた時、お母さんが勘違いしてタイトルを"Naked with You"と答えたことから話題になったという微笑ましいエピソードも忘れられない(でも夏らしい感じはしないでもない)。けれども、聴けば聴く程、つくりこまれた曲であるのがよくわかる。2枚目のアルバム"On the Waters"の2曲目に収録されている。
この曲を聴くと、毎日がとても楽しかった19歳の夏のはじまりを思い出す。男子校の息苦しい生活から解放され、何もかもが刺激的で充実していた。そのはじまりがこの曲とともに迎えられたことを感謝せずにはいられない。懐かしさとともに、ゆったりとした心持ちにもさせてくれる忘れ難い1曲である。
- アーティスト: BREAD(ブレッド)
- 出版社/メーカー: Warner Music
- 発売日: 2010/02/27
- メディア: CD
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