読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

SIM's memo

Books, Foods, Rock 'n' Roll…and more!

一期一曲(12)

The Beach Boys "Please Let Me Wonder"(1965)
f:id:sim_saba:20140811054705j:plain
 
 夏といえば、Beach Boysというのはもう定番すぎて何だか新鮮味がないかもしれない。けれども、初期のサーフ・ロック的、カリフォルニアの青い空を思わせるようなコーラスがかれらの真骨頂ではない。初期と"Pet Sounds"へと至る架け橋という意味では、かれらの8枚目のアルバム"Today!"は個人的に傑作だと思っている。その中でもひときわ輝いているのが、今回とりあげる曲だ。
 
 Mono録音ということもあるのだろう、音に温かみがある。そして厚みが増している。コーラスにしても、Wilson三兄弟のやんちゃな次男Denisのやや太めのヴォーカルにしても、これがクリアな音だとしたら、ここまで奥行きのある音に仕上がっていたかどうか。どこか夏の終りを思わせるが、よくよく聴くと、夏の終りに過ぎ行く夏を追憶しているイメージの方があっているかもしれない。そのセンシティヴだけど、ただそれだけではない曲の豊穣な力に今なお魅了されている。
 
 大瀧さんはこの曲のサビを"カナリア諸島にて"のサビに引用した。"カナリア諸島にて"も、今ある"夏"をうたったというよりも、少し距離を置いて眺めている"夏"というイメージがある。松本隆氏の歌詞と大瀧さんがつくりだす音のイメージがBeach Boysのこの曲が接合点になっていると思うと、やっぱり"Please Let Me Wonder"は偉大な曲なんだなあと改めて実感する。
 

トゥデイ

トゥデイ