SIM's memo

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一期一曲(30)

Eric Clapton "Let It Grow"(1974)
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 長らく薬物中毒の闇にのまれていたClaptonの起死回生の1枚として世に出た"461 Ocean Boulevard"の中でも、いっとう美しい曲が"Let It Grow"。淡々とうたうClaptonの声が深まりゆく秋にぴったりである。ジャケットは、アメリカは西海岸のリゾート地のような、いわゆるレイドバックしたClaptonの表情なのだけれども。
 
 Claptonのこうしたロマンティックでメロディアスな曲のはしりは"Easy Now"なのだが、中でも個人的にはこの曲が一番好きである。高校1年の秋、"Motherless Children"ではなく(この曲も好きだった)、"I Shot the Sheriff"ではなく(ポップだと思った)、"Let It Grow"を一番よく聴いていた。当時好きだった同い年の女の子とは友人関係のまま、なんの進展もなく思い出と追憶の中で生きていた僕にとって(少々大袈裟だが)、この曲はセンチメンタルになれるし、思い出の世界へいざなってくれる曲でもあった。
 
 あれから20年以上の年月が経過し、"461 Ocean Boulevard"の素晴らしさや魅力を再発見した今、やっぱり"Let It Grow"は、春でもなく夏でもない秋にこそ聴きたい僕にとっては特別な曲である。
 

461オーシャン・ブールヴァード

461オーシャン・ブールヴァード