SIM's memo

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一期一曲(31)

Bay City Rollers "Rock n' Roll Love Letter"(1976)
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 時の経過とともにふりかえってみると、音楽的によかったんじゃないかなあと思うバンドがいる。個人的には、その代表格がBay City Rollersである。その中でも、今回とりあげる"Rock n' Roll Love Letter"は、キャッチーだけどどこかせつなさが残るメロディーというパワー・ポップの王道をゆく曲でかれらの作品の中で一番好きである。
 
 まず、この曲がかれらのオリジナルではなく、1974年にアメリカのミュージシャンであるTim Mooreが発表した曲であること、そして本国イギリスではリリースされず(当然ながらオリジナル・アルバム未収録)、アメリカやカナダそして日本向けにリリースされたシングルだったことにちょっと驚いた。おそらくこのあたりは、レーベル元であるAristaのみならず、かれらをプロデュースしていたJimmy Iennerの意向もあったのかもしれない*1。ちなみに、オリジナルよりもアップ・テンポにしたためか、曲本来のもつドライヴ感が際立って、良質のパワー・ポップ・ナンバーに仕上がっている。これもまた、パワー・ポップの雄を手がけていたJimmy Iennerの手腕であろう。
 
 この曲を聴くと、10月のちょうど今ごろ、親戚が住む千葉県は野田にある清水公園へ行ったことを思い出す。当時入っていたサークルのメンバーと一緒に清水公園の水上アスレチックで遊んだのだ。その日僕は親戚の家へ一泊したのだが、その頃よく聴いていたのがこの曲だった。先日、野田の伯父が鬼籍に入り、ますますあの頃が遠くなってしまった。けれども、曲にまつわる思い出は消えることはない。
 

*1:当時、Jimmy Iennerが手がけていたEric CarmenやGrand Funk Railroadたちの成功例から導いた方針であることも容易に想像できる。