一期一曲(33)
The Beatles "Revolver"(1966)
ここでは、ある1曲をめぐってあれやこれやを綴っているが、今回だけはアルバム1枚すべてをとりあげたい。というのも、ちょうど26年前の今日、生まれて初めてアルバムを購入したのが"Revolver"だったからだ。
この年の夏、父か母のどちらかが持っていた東芝EMIの古いBeatlesのカセットテープを見つけ、1曲目に流れた"I Feel Fine"を聴いて衝撃を受けた。爾来、CDを聴くためのオーディオなんぞ持っていなかったので、もっぱらカセットテープを聴き続けていた。それがどういうきっかけか、父がCDを聴くためのオーディオを購入してくれることになった。それで僕はなけなしの小遣いを貯めて、Beatlesのアルバムをはじめて買うことになった。
校内の合唱コンクールが終わってすぐ、地元にあるたった1軒の小さなレコードショップに行った。そこでBeatlesのアルバムの中から、"Revolver"を選んだ。何故このアルバムにしたのか、今となってはまったく思い出せない。3,200円というかなり高価だった。購入した時の嬉しさは今でも思い出せる。だけど、何故"Revolver"にしたのかは思い出せない。気持ちはいつまでも忘れないものなのだろう。
急いで帰宅し、すぐに聴いた。"One Two Three Four, One Two…"というカウントではじまる1曲目の"Taxman"は、エッジの効いたギターのカッティングがとても印象的だった。カセットテープで聴いていたBeatlesはここにはいなかった。もっとぶっ飛んでいた。そして、半分夢中になり、半分は理解出来なかった。Kraus Voormanの手がけるジャケットをふくめて、何もかも尖っていた"Revolver"に圧倒されたのは確かだった。
その後、間髪入れずに"Rubber Soul"、"Beatles for Sale"を親に買ってもらった。正直、"Revolver"よりは親しみやすかった。けれども、振り返って、はじめに買ったアルバムが"Revolver"でよかったなと思う。今では、Beatlesのアルバムの中ではWhite Albumとともに好きな1枚である。そして、"Revolver"が僕にもたらした影響は、想像以上に大きかったと今になって思う。聴く度に新たな発見がある1枚である。
- アーティスト: ザ・ビートルズ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2014/06/25
- メディア: CD
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