SIM's memo

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刹那的だと言われて

 友人から「SIMさんは刹那的だからなあ…」と言われた。
これを聞いたとき、思わず考え込んでしまった。

せつなてき【刹那的】
1 時間が極めて短いさま。
2 あと先を考えず、今この瞬間だけを充実させて生きようとするさま。特に、一時的な享楽にふけるさま。「―な生き方」(デジタル大辞泉より)

友人が言っていたのは、上記の2を指して言っていたのだろう。確かに享楽主義的だと自覚はしている。そこには、何らかの諦めのようなものがあると思っている。しかし、さらに考えてみたら、自分自身の中には、刹那的なものと無常的なものがコインの表裏としてはり付いている。物事も人の気持ちも常にとどまることなく変移している。とはいえ、無常から永遠なるもの追求しようとする心性は僕にはない。そのあたりが刹那的なのであろう。
 
 大切な人やものを失うのがとても怖かった。昔からそうである。だからこそ、その時その時を悔いなく過したい。九鬼周造が『「いき」の構造』で語るような、双方が交わることのない二元性のはらむ緊張感にこそ、敢えて永遠なるものを見いだそうとする可能性があるのだろうし、刹那的な心性が僕にはあるのだろう。この瞬間こそ、自分が生き生きとしていると感じるんだな、と改めて思う。
 
 図らずも、友人は僕という人間のもつ本質的なものを言ってくれた。僕自身、うすうす気づいていたことを目の前に改めてつきつけられて、今さながらがに深く納得し、こういう生き方をしばらくは変えるつもりもないし変えることもできないのだろうな、と諦めの気持ちがある。これでいいと思っている。