輝く!積読状態の書籍アワード2016(上)
どうも、大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?毎度のことながら、今年もあっという間に年の瀬となってしまいました。となると、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る時期が来たということでもあります。
2016年購入した書籍は138冊。そのうち、積読状態の書籍は77冊。約56%買ったのに読んでないことになります。そう考えると、昨年よりはちょっとは読書をしたということになるのでしょうか。だからといって、偉そうなことはまったくもって言えません。
さてその中から、今年購入した積読状態の書籍の中でどれがアツかったを各部門別にノミネート3作品ずつ挙げて決めようかなと思います。
小説を久しぶりに読もうと思ったので
- レイモンド・チャンドラー(村上春樹訳)『高い窓』(ハヤカワ文庫)
- インゲボルク・バッハマン(松永美穂訳)『三十歳』(岩波文庫)
- イタロ・カルヴィーノ(脇 功訳)『冬の夜ひとりの旅人が』(白水Uブックス)
今年は久しぶりに小説を読もうと思わせてくれた一年でした。そのためか、すでに読了してしまった小説がそれなりにあるのですが、それでももったいぶる僕の性格上、何冊かは積読状態の書籍もある訳で、そんな中選んでみたのは・・・
- 作者: イタロ・カルヴィーノ,脇功
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2016/10/06
- メディア: 新書
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久しぶりに版元を変え復刊したこちら。実はちくま文庫版ですでに所持してもいますし、20代の頃に読了しているのです。けれども、改めて購入し直したのは、それだけ初めて読んだときのインパクトが残っていたこともさることながら、白水Uブックス版は装丁が作品イメージと近いと感じたらからです。ちくま文庫版よりも値段は倍近いのですが、タイトルどおり「冬の夜」にふさわしい静かでアツい小説です。
新書を甘くみることなかれ
今年は例年以上に新書をたくさん交流しました。それだけ、新書の内容が充実していたんだと思います。エントリーする作品選定でもかなり迷ったのですが、その中で選んでみたのは・・・
保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)
- 作者: 宇野重規
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2016/06/21
- メディア: 新書
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今年は国内外の政治をめぐる動向は激動といっても過言ではありませんでした。とりわけ、アメリカ大統領選挙でまさかのドナルド・トランプが大統領に選ばれるという想定外の出来事もありました。近年の政治における保守化の動きやトランプ登場という背景は、保守主義のもつ豊穣な土壌ではない、やせほそった土壌から生まれた産物であることを本書を通じてわかるはず。
音楽流行今昔
いつも通り、音楽に関する書籍もそれなりに購入しました。いつもならすぐに読むのに、今年は何かともったいつけて積読状態にしてしまいました。そんな中から選んでみたのは・・・
- 作者: 若杉実
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
- 発売日: 2016/03/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今年はアナログ・レコード再評価が新聞などメディアで多くとりあげられた年だったと思います。個人的には、今回選んだ『東京レコ屋ヒストリー』こそ、今のアナログ・レコード・ブームを支えた50代以上の人たちをめぐる文化史的背景を知るすぐれた1冊だと思っております。アナログとディジタルが交差する地点こそ、素晴らしき音楽の世界があるのです。著者は足利出身で僕と(おそらく)同世代ということもあり、僕もなんだかだで影響を受けていた「渋谷系」なるジャンルについて検討を重ねた著書を執筆しています。そんな訳で、いつか仕事を頼みたいという希望も込めて選びました。(続)