SIM's memo

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睦月漫読記

 2018年は、毎月末から翌月初にかけて、備忘録的にその月に何を読了したか書いておこうと思った。一応、読了した書籍については把握してはいるが、いかんせん可視化されていない。なので、書いておくのも悪くないなと思った次第。それでは、以下に列記しておこう*1

  1. ウィリアム・バロウズ中川五郎訳)『ジャンキー』(河出文庫):1月4日
  2. トム・ウェインライト(千葉敏生訳)『ハッパノミクス』(みすず書房):1月8日
  3. 千葉惣次(文)・大屋孝雄(写真)『東北の伝承切り絵』(平凡社):1月9日
  4. 岩鼻通明『出羽三山』(岩波新書):1月13日
  5. 佐藤良明『ビートルズとは何だったかのか』(みすず書房):1月14日
  6. 加藤郁美『にっぽんのかわいいタイル』(国書刊行会):1月21日
  7. 西部 邁『保守の真髄』(講談社現代新書):1月22日
  8. 佐藤 信(編)『古代史講義』(ちくま新書):1月24日
  9. コロナ・ブックス編集部(編)『日本の伝統色』(平凡社):1月25日
  10. 都築響一『独居老人スタイル』(筑摩書房):1月27日
  11. 佐々木マキ・小原 央明(編)『佐々木マキ』(河出書房新社):1月27日
  12. 東京大学史料編纂所(編)『日本史の森をゆく』:中公新書:1月29日

 
 1は、昨年末の地元の古書市で電撃的邂逅で即座に購入した古書。10年近く前に読んだ『麻薬書簡』(河出文庫)と併せて、ようやくバロウズ的世界へ行くことができた。それはなによりも、2が出版されたおかげかもしれない。こちらはおすすめ。人間の欲望を支えているのは、欲望の経済学ともいうべきシステムというのがよくわかる。義理人情の世界とはまた違ったドライだけど、どこか笑える(Thomas Pynchonが描く人間模様は、決してかれの妄想から出ていないリアリズムであるのがよくわかる)。
 3と4は仕事がらみで読んだ。信仰は身近だけど奥が深い。これまた、人間の多様な側面のひとつである。5は温泉入った後、なぜか佐野のKFCで一気呵成に読了。6はオールカラーの意欲作。著者のタイルへの深い愛情が感じられる良書。続編が出るとのことで鶴首して待ちたい。
 7は衝撃的な最期を遂げた著者の遺作(と思ったら、3月に平凡社新書で本当の遺作が出るとわかり早合点)。個人的には、やはり難しいというか相性が悪いと思ったが、著者の絶望と憂いはよくわかった。8はお世話になっている方から薦められた本。入門書として読みやすく、また各章末に文献案内があるのがよい。12も8と同じアンソロジー。常日頃から史料を扱っている研究者たちによる興味深いエピソードが面白い。中には、さらに読んでみたいと思わせるものもあり、新書版で1つあたり約7ページというヴォリュームがそうした思いをさらに募らせている。
 9は僕の好きな「コロナ・ブックス」シリーズ。先人たちの色認識の多様さにただただ驚くばかり。B5変形版というのは意外にも手に取りやすいのだ。10は、敬愛してやまない著者本。東京へ向かう電車の中で読了してしまった。独居老人をテーマにした書籍だが、僕は読みながら書籍づくりのことが頭から離れなかった(かれの書籍を読むと、常にそうなるのだ)。11は、講談社から刊行されている初期〜中期村上春樹の表紙絵を手がけていることで有名な佐々木マキを知る最適な1冊。ガロ投稿時代から、基本的にブレていないことがよくわかる。
 
 そんな訳で、2月はどんな書籍を読んでいるのだろう(って、目下も読み続けているのだが)。

★1月で一番面白かった(というか印象深かった書籍は)こちら。

ハッパノミクス

ハッパノミクス

装丁も内容も素晴らしかった!

*1:以下、著者(訳者・編者名)『タイトル』(出版社):読了日を明記