僕の平成史(1)〜「平成」のはじまり〜
とタイトルをつけてみた。ネタ元は安岡章太郎の『僕の昭和史』。私にとって思い出の書籍である(この話は後ほど)。
さて、そろそろ「平成」という元号はついていた時代が終わろうとしている。振り返ると、平成元(1989)年の時は13歳から14歳にかけて。中学1年の冬から中学2年の冬にかけてである。明確に元号が切り替わるということは、そうたくさん経験できることではないので、残り1カ月を切った「平成」を、自分なりにメモがわりに振り返ってみようかなと思う。
昭和天皇が亡くなった*1時の記憶は意外にも残っている。それは死ぬほど嫌いだったマラソン大会が昭和天皇が亡くなり中止になったからだ。私が住んでいた田舎には、御料牧場という皇室の台所ともいうべき大農場があった。その周辺を走るマラソン大会が毎年年明けの第2日曜日に開催していた。
当時、陸上部に所属していた私は短・中距離を専門にしていたものの、長い距離を走るのが大っ嫌いだった*2。陸上部は強制的にこのマラソン大会に参加し、4kmを走ることになっていた。だから、昭和天皇が1月7日に亡くなったというニュースを聴いた時、「これでマラソン大会に出なくて済む」と喜んだ。
私にとっての「平成」のはじまりは、そんな訳で極めて個人的な理由から、嫌なことから解放してくれた、いわば恩赦のようなものだった。(続)