SIM's memo

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久しぶりの読書など

 今日は朝から東京での仕事だった。いつも東京へ行く時はJRを使うのだが、今回は最寄りの私鉄を利用した。理由は東京メトロが乗り放題を含めたパスが安かったため。それなので、最寄り駅から一日一本出ている昭和感満載の特急列車に乗ることにした。
 道中、今月に入って初の読書。昨年秋に亡くなった丸谷才一最後の仕事である『花柳小説傑作選』(講談社文藝文庫)を読む。まあこのアンソロジーにありがちな玉石混淆は否めない。しかしながら、本書に収録されている吉行淳之介の短編を読んだのだが、その良さを改めて実感。あー、この人はうまいなあと思った。吉行淳之介のよさは三十代以降じゃないとわからないかもしれない(僕だけかもしれないけど)。
 ところで、今日乗った私鉄沿線には、かつて阿部定が収監された女子刑務所がある。『花柳小説傑作選』には、彼女を扱った島村洋子の2編が収録されている。これは本アンソロジーの出色である。そんなこともあって、なんだか不思議な気分で読んでいた。おそらく、本アンソロジーが自分のこれまでのことを振り返るのにちょうど適していたからかもしれない。今のタイミングで読んで正解だった。
 
 午前に国会図書館で調べものをしてきて、午後は打ち合わせ。その後、現在制作している番組で取り上げる方の娘さんのお宅へ伺い資料を拝借。帰りに手土産までいただき、恐縮しきり。18時半に会社に戻って、会社から出す番組絡みの冊子の校正や雑務をこなし20時にあがった。
 今日の収穫は、『花柳小説傑作選』だった。後日、本書のレヴューをしたためておこう。