SIM's memo

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S:Sad Memories

 夜、音楽を聴きつつ調べものをしていたら、急に学生の頃の苦々しい出来事の数々を思い出してしまった。これらの思い出には、悲(哀)しみがまとわりついている。なので、数年前にある程度密閉してこころの奥底に封印したつもりだった。しかし、何の前触れもなく封印は解かれ、音楽に乗せてわが記憶を呼び起こした。夏の終わりというのもあるのだろうか。ふたたび封印したところで、また音楽に乗って記憶を呼び起こしにくるのだろう。なので、あまり神経質に封印にこだわるのはやめることにした。所詮、ぼくは記憶からは逃れられないのだから。
 
 とはいえ、学生時代の記憶のほとんどは、鮮やかな色をもっていない。何もかもグレイだ。そのように僕自身封印したのだろう。封印が解き放たれたとはいっても、容易に色を取り戻すことはできないしきっと無理だろう。そうしていかないと、前へ進めないということもある。
 音楽は感情を揺さぶる。そして記憶をも揺さぶる。揺さぶられた記憶は、一瞬光を浴びて姿かたちを失っているかのように思える。しかしながら、その存在はしっかりとこころに刻み込んでいる。その刻み込んだ深さは、悲(哀)しい記憶の方が深くて濃い。だから、モノをつくっていけるのだ、と勝手に思っている。昇華ってやつである。