一期一曲(4)
Paul McCartney "Take It Away"(1982)
そういえば、中学3年の夏休み頃だろうか、父親に頼んで買ってきてもらったのがPaul McCartneyの"Tug of War"というアルバムだった。このアルバムがリリースされた当時には既にCD化されていたようである。だから定価は結構高かった。確か¥3,600だった気がする。このアルバムは現在、店頭ではみかけない。そろそろ再発して欲しいと思っている。
さて、"Take It Away"である。Steve GattとRingo Starrのツイン・ドラムではじまり、Paulのベース、プロデューサーのGeorge Martinのエレクトリック・ピアノがからむというゴージャスなアレンジがとても印象的。いかにもPaulらしい凝った展開。コーラスに元10CCのEric Stewartと奥さんのLindaが参加し、夏の爽やかな朝をイメージさせてくれる。
このアルバムを購入した当時は、その素晴らしさをちゃんと理解していなかった。しかし今改めて聴き直してみると、Paulのソロ・キャリアの中で間違いなく最高傑作だと思う。参加しているミュージシャンが豪華というのもある。けれども、すべて亡きJohn Lennonへの手向けとしているように思うのだ。Johnへの想いは"Here Today"という曲に込められている。しかし、アルバム全体の方向性をつくっているのは、間違いなく"Take It Away"だ。
1982年と2014年。32年の隔たりがあるが、僕にとっては中学3年の夏と「今この夏」を毎年つないでくれる貴重な1曲である。
- アーティスト: ポール・マッカートニー
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2000/04/26
- メディア: LP Record
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