一期一曲(18)
Sex Pistols "No Feelings"(1977)
僕にとっては、Punk Movementは線香花火のようなイメージ。ドタバタしながらも、当時の熱気を何とか閉じ込めたのがかれらのデビュー・アルバム"Never Mind the Bollocks, Here's the Sex Pistols"であろう。その中でも、ストレートなロック(というよりも、僕にはポップに聴こえた)なのが、3曲目の"No Feelings"だ。高校生だった頃、このアルバムを購入した当初はあまりいいとは思わなかった。けれども、何のきっかけがあったのかわからなかったが、このアルバムのソリッドでタイトな音に心惹かれていた。その功績はかれらにというよりも、プロデューサーのChris ThomasとエンジニアのBill Priceによるものだ。
そういえば、この文章を書きながら、ちょっとこのアルバムのことを調べていたら、Sid Viciousのベースは"Bodies"1曲だけなんすね。Chris ThomasがSidの技量に不満を抱いたので、代りにGlen Matlockになるも、ギャラの不払いで揉めて、"Anarchy in the UK"のみがかれの演奏として収録されている。で、結局残りの曲をギターのSteve Jonesが演奏している。結果として、ソリッドな仕上がりになっているのは、ChrisとBillのおかげという訳である。
個人的には、このアルバムの雰囲気とBeatlesの"White Album"の仕上がりは似ていると思っている。試みに、"No Feelings"と"White Album"に収録されているひときわパンキッシュなナンバー"Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey"を聴き比べて欲しい。いわゆるPunkの音というのは、BeatlesにというよりもChrisによって既に用意されていたことがよくわかるだろう。
- アーティスト: セックス・ピストルズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2007/10/31
- メディア: CD
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