SIM's memo

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思い出すことなど(15)

 先日、実家に帰った時、高校の学校誌が雑然と置いてあるのをみつけた。手にとり中身を読んでみると、創立90周年記念でいつもの年よりも少し厚めの仕上がり。各クラスごとにテーマを与えられ論文のようなエッセイのようなものを寄稿してあった。目次を見ると、なんと僕が書いているではないか。しかも「昨今のわが高の進路状況」というまったくもって面白くもないものを書いていた。何故こんな面白くもないことを書いていたのだろう?と思いつつ読んでみる。やっぱり面白くなかった。今とまったく変わらないことをこの時点でやっているのだから、因果なものである。
 懐かしいなあという思いもそこそこに、編集後記を見ると、どうやら僕は編集委員だったようだ。なるほど、だから書いていたのだ。その当時のことを一所懸命思い出そうとしたけど、まったく思い出せなかった。
 
 先にも書いたが、高校2年の時点で今と変わらないことをやっているという点について、ある人からすれば、やりたいことやってるんだから羨ましいですね、と言うだろう。しかし、高校2年の時点では、一刻も早く野郎ばかりの高校生活と別れて大学生活へ移りたかった。高校の3年間は、どこかへ収監されていたようなくらーい気分だった。
 
 そんなものを読んでから、毎晩夢で高校時代の風景が出てくるようになった。「わー、懐かしい♡」などまったく思わず、ただただ夢見が悪いだけだった。おっさんになって、色々悲しいことも身体もままならないことも多くなってきた。けれども、僕にとっては、もう二度とあの時に戻りたくないという気持ちだけは強烈に残っている。なので、楽しい高校生活を過ごされた方々を見ると、羨ましさと妬みがないまぜになったドロッとした感情が溢れてくる。なので、精神衛生上よろしくない。そういう時は温泉にでもつかって、のんびり何も考えないようにしようと思って、よくいく温泉施設へ行ったら、あいにく休館日でさらに悶々としてしまった。最近の話である。