SIM's memo

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裁判傍聴と更生の難しさ(1)

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判決公判が開かれた前橋地裁太田支部

 2018年12月3日11時、群馬県太田市前橋地裁太田支部で判決公判が開かれた。被告は栃木県足利市出身の原裕美子さん。罪状は窃盗罪。キー局のテレビカメラとマスコミ関係者が数多くいた。なぜなら、彼女が元マラソン女子日本代表であり、将来を嘱望されてきたマラソンランナーだったからだ。
 
 私は(外部委託ながら)地元AMラジオ局で制作中の特別番組の構成担当としてこの日の判決公判に立ち会った。私の他に、報道担当のIさんと制作担当のHさん3名でやってきた。
 10時前に到着すると、すでにマスコミの人たちが大勢いて、原さんたちが裁判所に到着するのを待っていた。10時20分に傍聴席整理券が配られるとのことで、県外なので(それと事前に記者席の申請をしていなかったこともあり)一般の方々とともに傍聴席整理券配布を待っていた。やがて職員の方が待合室にやってきて、今日の傍聴席は7席だと告げる。集まった人は48名。私たち3名がすべて入る可能性は極めて低いが、せめて私以外は傍聴できればいいと思った。

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当日配布された傍聴席整理券
 
 配布されてから5分後。傍聴席抽選の結果が発表。なんと、IさんとHさんは抽選で当たった。最低限の目的はひとつ達成できたのでほっとする。Iさんは何度も傍聴を経験しているので慣れてはいたが、Hさんは初めてとあり(彼女は入社2年目の24歳)いささか緊張していた。
 
 11時開廷。通常の判決だと、約10分ほどで終わるらしいが、この日は予定時間を大幅に延長し11時35分に閉廷となった。判決は懲役1年執行猶予4年(保護観察付き)。現在、原さんは千葉県内で会社員として働いている。また定期的に通院もおこない、安定した生活を過ごしている。これらを加味してだろう、結果執行猶予がついたので、引き続き社会とのつながりを保ったまま、日常を過ごすことができるわけだ。
 傍聴を経験したHさんは、しっかり裁判官が読み上げた判決文や説諭(裁判官が判決文の最後に述べるコメント)をメモしており、傍聴抽選にはずれ、Hさんのメモを参照した江川紹子氏にほめられていたのが印象的だった。
 
 執行猶予がついたことで、その場合は13時から太田市役所の記者クラブ室で原さんと弁護士による記者会見が行われるため、急いで太田市役所へ移動した。(続)