SIM's memo

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L:Love

 梅雨入り宣言直後はたいてい晴れるという、個人的な見解があるのだが、今年はどうも空梅雨のようだ。梅雨特有のhazyな雰囲気は好きじゃないが、稲や野菜の生育に影響がでそうで心配である。こりゃあ、男根様と女陰様のエネルギーで雨乞いした方がいいかもしれぬ。
 
 それはさておき、"Love"である。"Love"のかたちは様々でしてぇ、としたり顔で言ったところではじまらない。"Love"を向ける対象が問題である。好きな人と愛する人はイコールじゃない。そんなこと、大人になればわかるだろう、と思ったけどいまひとつ霞がかって視界良好とはいかない。じゃあ、小説や音楽は?となると、"Like"よりも"Love"に近いかもしれない。おそらく、自分の身体に血肉化しているかどうかが"Like"と"Love"の境目のような気がする。小説ならば、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』、フローベールの『感情教育』そしてナボコフの『セバスチャン・ナイト真実の生涯』だろう。音楽ならば、The Beatlesのすべて、The Beach Boysの"Surf's Up"だろうか。
 
 そういえば、"Love"は無条件に対象へ身を投げることができるかどうか、という境目もあるような気がする。人や動物にいままでそこまでできていたかどうか。できていないから、色んなものやことをこじらせてきたのだろう。こんな文章を書いていること自体、"Love"を頭でこじらせてきている証左である。全力でぶつかることがカッコ悪いと思っていた自分が一番カッコ悪いことに、ここ最近痛感している。少し遅すぎたかもしれぬ。