SIM's memo

Books, Foods, Rock 'n' Roll…and more!

輝く!積読状態の書籍アワード2015(上)

 えー、振り返れば、もう年の瀬。相変わらずの貧乏稼業ということで、慌ただしく過ごしております。
 さてさて、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る2015年。購入した書籍は104冊。そのうち、積読状態の書籍は63冊。実に6割ほど買ったのに読んでないことになります。その中から、今年はどんな書籍を購入し、どの書籍がアツかったを各部門別にノミネート3作品ずつ挙げて決めようかなと思います。
 

小説を読もうとした痕跡を確認しよう

 ここのところ、めっきり小説が読めなくなってしまったのですが、毎年1冊は小説を読もうと努力しています。とはいえ、結局今年もほとんど小説を読めませんでした。その中で、本年のこの部門で賞を獲得したのは・・・

僕の中では、ダントツに「次は必ず読んでやる!」と頭の片隅に居続けた1冊でした。ちなみに、次点にはジーン・ウルフ御大。同じ国書刊行会から大作《ウィザード・ナイト》4部作も無事翻訳されましたので、今回ノミネートした短編集を早く読もうと思ってます。
 

批評からの誘惑

 そもそも批評本ってどんなジャンルなのかな?と考えてしまった1年のような気がしてます。とはいえ、若い頃に比べて、その手のものを読まなくなったのですが、それでも読みたい!と思わせてくれた書籍というのは貴重だなと思ってもいます。
 そういえば、書籍との出会いには、ラジオや新聞、インターネットなどのメディアからの情報と書店などで偶然(ばったり)出会うという2種類があると思ってます。そこから見ると、大澤と中村は前者、バルトは後者にあたります。中村とバルトは学生の頃から親しんでいたので、大澤の書籍との出会いは、メディアからの情報とはいえ、偶然的なものです。
 という訳で、本年のこの部門で賞を獲得したのは・・・

批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇

批評メディア論――戦前期日本の論壇と文壇

結構話題になってましたよね。それ以上に、戦前期における日本の論壇&文壇と近未来的なブック・デザインが素晴らしかったです。この2つは思いのほか相性がいいことに気づかされたのも収穫。ちなみに、1/3は読んでます。
 

歴史を考える

 昨今、近現代史というジャンルがアツいなあと思ってます。その一方で、学問としての人文系が危機に立たされています(もうずっとですけれども)。歴史を学ぶというのは、一方通行ではなく、身体で吸収し歩きながら考えるトレーニングだなと痛感しています。全体主義的志向をもつ国家はそういうトレーニングは忌み嫌いますが、これは我が身を守るためと思い怠らないようにしようと思ってもいます。そんな訳で、この部門で選ばせていただいたのは・・・

鶴見良行著作集〈9〉ナマコ

鶴見良行著作集〈9〉ナマコ

一昨日、年末恒例の古書市で出会いました。実は今夏に読んだ『岩波新書で「戦後」を読む』で鶴見良行が取り上げられていまして、ずっと気になっていたのです(厳密には10年以上)。かれは歩きながら考え、言葉を紡いできた行動の人でした。その鶴見良行フィールドワークの集大成が「ナマコ」でした。ナマコから日本のみならず、アジアを見つめています。この書籍を眺めると、つい背筋はまっすぐになります。
 

戦争がもたらした遺産

 今年は戦後70年ということもあって、実に多くの関連書籍が出ました。その中でも、立ち読みしてみて、こりゃあ出色だなあと思ったまま積読してしまっているのがこちらの3冊。いずれも着眼点が素晴らしいなと思ってます。その中で悩みに悩んで選ばせていただいたのは・・・

戦争と平和: 〈報道写真〉が伝えたかった日本 (コロナ・ブックス)

戦争と平和: 〈報道写真〉が伝えたかった日本 (コロナ・ブックス)

報道写真というジャンルがいかに戦争に加担し、そしてよくも悪くも戦後日本の歩みを写し出し、時にアメリカ的平和をもたらしてきたか、ヴィジュアルとともによくわかる1冊です(といっても、ちゃんと読んでいません。なんせ、積読状態ですので・・・)。〈続く〉