SIM's memo

Books, Foods, Rock 'n' Roll…and more!

Books

輝く!積読状態の書籍アワード2016(下)

サブカル?の底力 都築響一『東京右半分』(筑摩書房) 加藤郁美『にっぽんのかわいいタイル』(国書刊行会) 石井英俊『マンホール』(ミネルヴァ書房) 今年も内容はもちろんのこと、装丁や収録された写真のインパクトに圧倒された書籍に出会うことができ…

輝く!積読状態の書籍アワード2016(上)

どうも、大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?毎度のことながら、今年もあっという間に年の瀬となってしまいました。となると、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る時期が来たということでもあります。 2016年購入した書籍は138冊。そのう…

後藤明生revisited(下)

後藤明生が醸し出すグルーヴ感に浸ること 『挟み撃ち』は当時の僕にとってはロックであり、リズム&ブルースだった。ちょっと抽象的な表現だけれども、要はこういうことである。日々の労働に浸された身体にとって、リズム&ブルースというスウィング感のある…

後藤明生revisited(上)

ついにコレクションが 最近、後藤明生の周辺が賑やかだ。大変めでたいことである。思えば、彼が亡くなった1999年以降、僕はてっきり、ほどなく全集がでるものだと勝手に思っていた(しかもK談社で)。しかし時は流れ、彼の作品が気軽に読める文庫版も品切れ…

書籍を残し利用してもらうということ

先日、毎朝のルーティンワークとして、インターネット上の情報をあれこれ見ていたら、こんな記事を目にした。 「穴水町立図書館が寄贈図書廃棄」 www.chunichi.co.jp あー、またこんなことがあったのか。はてなブクマやtwitter上での反応の多くが、この処分…

Gozo & Dylan(Part Ⅱ)

21世紀のAmerican Popular Musicを奏でているDylan 今月(4月)に入って、日本の主要都市でツアーを行ってきたDylan. 一緒に行ったM氏から予めset list&音源を送ってもらっていたので、だいたいこんな感じの曲をやるんだなーとはわかっていた。けれども、…

Gozo & Dylan(Part Ⅰ)

どうもご無沙汰しております。皆様、お元気だったでしょうか?こちらは相も変わらず、俗事にもまれにもまれた日々を過ごしております。が、24・25日の2日間は、僕にとってのコペルニクス的転回をもたらしてくれた2日間でした。主人公は、吉増剛造とBob…

輝く!積読状態の書籍アワード2015(下)

ヴィジュアル本で想像の旅を巡る 芳賀日出男『日本の民俗 祭りと芸能』(角川文庫) 二村 悟(監修)『ニッポン産業遺産の旅』(平凡社) 細萱 久美『函と館』(平凡社) さて、今年はヴィジュアル本をそれなりに購入しました。仕事の一環というのがほとんど…

輝く!積読状態の書籍アワード2015(上)

えー、振り返れば、もう年の瀬。相変わらずの貧乏稼業ということで、慌ただしく過ごしております。 さてさて、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る2015年。購入した書籍は104冊。そのうち、積読状態の書籍は63冊。実に6割ほど買ったのに読んでな…

読書日記(1)

◯月◯日、西脇順三郎『野原をゆく』読了。70の坂を登ろうとする西脇が、戦前から戦後にかけてあちこちで書いてきた随筆をまとめたもの。「四季の唄」「私の植物考」「詩人の憂鬱」「漂泊」「永遠への帰郷」の5つのセクションに収められている。ちゃんど編…

ご相談→ご報告

前回の記事で、積読状態を少しでも解消すべく、次に何を読めばいいかと尋ねましたところ、いろいろと選んで下さいました。ここで改めてお礼申し上げます。有難うございます。 そんな訳で、今日から以下の順序で読んでいこうと思ってます。 西脇順三郎『野原…

ご相談

相変わらず、積読状態の書籍が増える一方である。そして、いざ1冊読み終わると、次にどの書籍を読んでいいか途方にくれているのが現状。 そこで、見て下さっている方々にご相談。以下に列挙する書籍の中で、小生が次に読んだらいいんじゃない?という書籍を…

再読すること

今年の年頭に掲げた目標のひとつに「再読」があった。今年も残りあと3ヶ月になろうとしているが、今のところこの目標は達成できる見込みはない。そもそも再読をあまりしないから、古きをたずね、新しきを知るために掲げた目標だった。 振り返れば、小説の場…

久しぶりの休日

前橋の街中を流れる広瀬川

積読状態の書籍で振り返る2014年

なんだか2014年があっという間に過ぎていってしまうと感じるのは、年齢のせいなのだろう。気がつけばもう大晦日。毎年、拙ブログで我が読書を振り返っているが、今年は視点を変えて、2014年に購入し積読状態のままだけれども、気になっている書籍を…

一対他の世界 ─『きょうの猫村さん』を読む(2)─

『きょうの猫村さん』の世界像 『きょうの猫村さん』3巻をお話する前に、この作品の世界像を見ておきましょう。身よりのない猫だった「猫村ねこ」(以下、猫村さんと略す)が、以前飼われて家のぼっちゃんに躾けられた家事全般の能力を見込まれて、たまたま…

一対他の世界 ─『きょうの猫村さん』を読む(1)─

えー、皆さんはじめまして。数年前、志賀直哉の『暗夜行路』における主人公とその妻との関係について、ジョン・バースのエッセイをモチーフに語ったことがありました*1。今回は、最近ふたたび読み返した漫画をとりあげようと思ってます。その漫画とは『きょ…

哲学者と青春の断片

哲学者の木田元氏が亡くなった。享年85歳。亡くなったこと以上に、主要新聞等で亡くなったことが報じられたことに驚いた。そっか、僕が思っていた以上に社会的に著名で影響力のあった方だったんだなと改めて感じた。 木田氏の名前は僕にとって、青春のかたわ…

読書備忘録

今月に入り、いきなり読書欲というか、本を読みたいという気持ちが俄然強くなってきた。こんな気持ち、かなり久しぶりである。1と3以外は、研究活動のために読んだ書籍である。

新春恒例

小生の新春恒例の行事は一応ある。9時半すぎまでは箱根駅伝を見て、それから近くの百貨店で催される古書市をひやかすこと。今年も無事、この恒例行事をつつがなくとりおこなった。

2013年の読書を振り返る(4)

以前、2013年は小説をまったく読まなかったと述べた。しかし、これはかなりの嘘つき(と物忘れ)で、何冊かは読んでいた。

2013年の読書を振り返る(3)

つづいては、こちらのジャンルから振り返ってみる(あまり長くならないよう気をつけます)。

2013年の読書を振り返る(2)

続いてはこちらのジャンルで印象に残った書籍を振り返ってみたい。

2013年の読書を振り返る(1)

今年も残すところ、あと半月をきった。2013年の読書は、例年にくらべてそれほど沢山読まなかった。とはいえ、良書と巡り会えたのはたしか。節操なくここで振り返るのもなんなので、テーマごとに数回に分けて振り返りたい。

そろそろ読み始めようと思っているけど、いつまでたっても机上に鎮座したままの本たち

「タンスのこやし」という言葉がある。僕の場合は「机の上の防壁(北側)」が相当する。しかし、見ての通り、この防壁、結構低い!ていうことは、すぐ壊せる(=読める)のでは?と思ってしまう。ところがどっこい。近くて遠い好きな女の子のように、なかな…

「情」の世界

徳太郎尾崎紅葉の『多情多恨』(1896=明治29年)を読んだ。玄人筋では、『金色夜叉』よりも評判がいい紅葉の代表作のひとつだ。一読して、なるほどこれは面白い。全体にテンポもよく、言文一致で書かれている。筋もわかりやすい。『読売新聞』に連載されて…

文月読書漫談

7月はなんだかだで読書ができたような気がする。久方ぶりに面白く読めた書籍に巡り会えたことが大きいだろう。7月もとうに過ぎてしまったが、ここではその中から2つの傾向のもとに読書をしてきた軌跡を簡単に述べてみる。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(4)〜

門をくぐれた御米、くぐれなかった宗助(2) 宗助が御米の心身の不調と入れ替わるように、不安に苛まれる直接のきっかけとなったのが、かつての友人安井の存在であった。崖上に住む大家の坂井家主人の弟が蒙古におり、そこで知り合った友人というのが安井で…

水無月読書漫談

表面上あまり思われない(見られない)のだが、実は6月はずっとこころが荒れていた。そして今もそれなりに荒んだこころもちでいる。そんな荒んぢまつたこころもちにもかかわらず、それなりに読書ができた。おそらく荒んでいるからだろう。ある意味、慶賀す…

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(3)〜

門をくぐれた御米、くぐれなかった宗助(1) もともと身体が丈夫ではない御米が、精神的疲労と緊張感から「発作」で寝込んでしまう場面がある。そこに至る伏線を箇条書きしておこう。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(2)〜

御米という存在 野中宗助の妻御米はどう描かれているのか。まずはこちらを読んでみよう。

反=恋愛小説として 〜漱石『門』を読む(1)〜

明治43(1910)年に発表された漱石の『門』を久しぶりに読み返した。最近、あまり小説を読まなかった(読めなかった)が、一気に読了した。今読んでも古さを感じさせない。あれこれ、問いがちりばめられている。これこそ、文学の文学たる由縁だろう。…

皐月読書漫談

5月はなんだかだで読書をしていたような感じだった。しかし、上旬の読書と下旬での読書は、その様相がガラリと変わっている。ひとえに、僕自身をめぐる環境あるいは心境の変化である。ここでは上旬の読書をざっとメモみたいに書いておく。

道化者をふたたび送る。

2013年3月に黄泉の国へと旅立った山口昌男という人物は、知る人ぞ知る学者だった。この稀代の道化師に縁のある人たちによる追悼特集が『ユリイカ』に掲載されているのを知ったのは、twitterでフォローしている田中純氏のツイートだった。これは読まなき…

Soul Mining

みすず書房から今年の3月に刊行されたダニエル・ラノワ『ソウル・マイニング』は、久しぶりに楽しくそしてこころ揺さぶられる自伝だった。ダニエル・ラノワの名前を聞いたことがなくても、たとえばU2の"The Unforgettable Fire"や"The Joshua Tree"あるいは…

蟄居屏息

僕という人間をある程度知っている人、あるいは拙ブログを読んで下さってる方はおわかりかもしれないが、現在蟄居状態である。理由はいくつかあるが、女性関係でそういう仕儀になった訳じゃない(なりそうにはなったが、それはまた別の話)。色々と事情が変…

卯月読書漫談(下)

さて、丸谷才一が亡くなって半年が過ぎる。続々とかれの著書が文庫化されている。小説家としては、然程面白いものを書いているとは思えないが、エッセイことに評論については丸谷のよさであるキレがでているように思う。『恋と日本文学と本居宣長・女の救は…

卯月読書漫談(上)

「4月は残酷な季節だ」という手あかにまみれつつあるT.S.エリオットの言葉を待つまでもなく、僕にとっての4月は残酷さプラス、リビドーほぼ全開な一ヶ月だった。こういう時は何故だかわからないが、意外と良書そして読書をする機会が増える。てなことで、…

読みかけ本の在処

読みかけの本が多い。しかもリスク分散のように数カ所に置いてあるときた。改めて確認してみると、まずは寝床。枕前の本棚(無印のパルプボックス)に置いてある。4冊。一番下の分厚い本は、ミシェル・レリスの『幻のアフリカ』(平凡社ライブラリー)。そ…

弥生読書漫談

すっかり4月になってしまい、先月読んだ本のまとめを残しておくのを先延ばしにしてしまった。年度またぎはいかんなあ。という訳で、2月に続き3月も読書にあてる時間があまりなかった。したがって、今月も2冊、しかも電車での移動中に読了したものである…

道化者、黄泉の国へ

山口昌男が亡くなった。81歳。晩年は脳梗塞を患い、表舞台から姿を見せなくなった。しかしかれの仕事に多くの人たちが刺激され、また励まされてきたと思う。ぼくもそんなはしくれのひとりだ。 学生の頃、「山口昌男」の名はぼくにとっては憧れであり、手に…

芥川の歌

今日3月1日は、芥川の誕生日である。今から121年前の1892年生。芥川は短編小説が有名だが、個人的には芥川の本分は文藝、とりわけ詩歌にあったと見なしている。こころみに、手許にある岩波版『全集』第十八巻(書簡Ⅱ)を繙いてみよう。 こちらは芥…

如月読書漫談

2月はまあ読書をしなかった。たった2冊、いずれも電車で移動した時に読み終わった書籍である。仕事のせいに敢えてしておこう。 という訳で、まずは昨年末に亡くなった小沢昭一氏の写真コレクションと昔のエッセイをあわせた、結果として追悼本となってしま…

距離感としての花柳小説

「花柳小説」というジャンルがあるようだ。本書の編者である丸谷才一によると、花柳界を舞台とする小説のみならず、バーのマダム、女給たちが懸命に生きている姿、そして私娼から男娼たちの様態までも含むとのこと。誤解を恐れずにいえば、人間関係をめぐる…

久しぶりの読書など

今日は朝から東京での仕事だった。いつも東京へ行く時はJRを使うのだが、今回は最寄りの私鉄を利用した。理由は東京メトロが乗り放題を含めたパスが安かったため。それなので、最寄り駅から一日一本出ている昭和感満載の特急列車に乗ることにした。 道中、今…

チキンレースという名の読みかけの本たち

2013年2月7日時点で、読みかけの書籍がいくつあるだろうと数えてみることにした。 『日本民謡集』(岩波文庫) トマス・ピンチョン『逆光(上)』(新潮社) 宮本正興・松田素二編『新書アフリカ史』(講談社現代新書) 鳥羽耕史『1950年代』(河出書房新社…

睦月読書漫談

2013年も残すところあと10ヶ月余となり、流れゆく時の早さにまったくもって愕然とするばかり。そんなこんなで、先月読了した書籍たちを簡単にレヴューしておこう。 Musicをめぐるお話 仕事のため、日本におけるレコード文化の歴史を知っておかなくては、と思…

ラップ・ミュージックと「演歌」

トリージャ・ローズ『ブラック・ノイズ』(みすず書房)は、ラップ・ミュージックの持つ様々な文化的プロトコルや重層性を多角的に分析した本である。本書を読んで気付いたのは、都市貧困層の黒人たちから生まれたという点において、ラップ・ミュージックと…

新春書籍購入の旅

・『新書アフリカ史』(講談社現代新書、1997年) ・『世界の歴史24 アフリカの民族と社会』(中公文庫、2010年) ・中川 真『増補 平安京 音の宇宙』(平凡社ライブラリー、2004年) 元旦に購入した"Opika Pende Africa at 78RPM"(Dust-to-Digital、2011年…

2012年の読書を振り返る。

今年はまあ例年以上に読書をしなかった。何故だろう?と考えてみると、答えはひとつ。音楽にどっぷりつかっていたから。とはいえ、そこそこ読書はしてきた。否、ほぼ毎日読書はしていた。その大半が仕事絡みというのだから、不真面目で知られる小生とすれば…