Books
久しぶりに「懐かしい」と思えた書籍を読んだ。哲学者の國分功一郎氏と編集者で研究者でもある互盛央氏の共著『いつもそばには本があった』(講談社選書メチエ)である。 何が「懐かしい」と思ったのか?それは、丸山圭三郎(1933-1993)の名前がいきなり出…
そんな訳で、昨日市内の大型ショッピングセンター内にある書店へ足を運んだ。目的は一昨日発刊した担当本チェック。人文系・郷土本系はどうしてもあまり目立たない棚に置かれてしまう。ここの書店は、土曜日ということもあり賑わってはいたものの、棚周辺に…
♪April come she will〜って歌ってのはSimon & Garfunkel(のArt Garfunkel)だが、まったく早いもので世の中はGWです。そんな中でも、今回も何を読んできたかを列挙していこう(以下、著者(訳者・編者名)『タイトル』(出版社、発行年):読了日を明記)…
レイモンド・チャンドラー(村上春樹訳)『水底の女』(早川書房、2017年):3月1日 黒嶋 敏『秀吉の武威、信長の武威』(平凡社、2018年):3月3日 ゲンデュン・リンチェン 編(今枝由郎訳)『ブータンの瘋狂聖 ドゥクパ・クンレー伝』(岩波文庫、2017…
なんと、この「漫読記」を真面目に3カ月連続で書いてる!というか、備忘録的に書いているので、ちゃんと意識していれば書けることを改めて確認できた。さて前置きはこれくらいにして、早速列挙していこう(以下、著者(訳者・編者名)『タイトル』(出版社…
いつも三日坊主ならぬ一回坊主である小生が、2回目もこうして記すことにわれながら驚いている。そして、リズムをつくることの大切を実感している。いずれにせよ、2月はリズムをうまくつくれずにいたような気もしていると述べたところで、早速列挙していこ…
2018年は、毎月末から翌月初にかけて、備忘録的にその月に何を読了したか書いておこうと思った。一応、読了した書籍については把握してはいるが、いかんせん可視化されていない。なので、書いておくのも悪くないなと思った次第。それでは、以下に列記し…
建造物は人間の英知が凝縮されている 吉田敬子『のこぎり屋根紀行』(上毛新聞社) 白井綾『長崎の教会』(平凡社) 藤森照信『日本の近代建築(上・下)』(岩波新書) 五十畑弘『日本の橋』(ミネルヴァ書房) 佐滝剛弘『登録有形文化財』(頸草書房) 仕…
毎度のことながら、今年もあっという間に年の瀬となり、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る時期が来てしまいました。 2017年に購入した書籍は142冊。昨年より4冊多かったです(昨年より多く買っていた感じがしたんですけどね)。そのうち、積読状…
サブカル?の底力 都築響一『東京右半分』(筑摩書房) 加藤郁美『にっぽんのかわいいタイル』(国書刊行会) 石井英俊『マンホール』(ミネルヴァ書房) 今年も内容はもちろんのこと、装丁や収録された写真のインパクトに圧倒された書籍に出会うことができ…
どうも、大変ご無沙汰しております。お元気でしょうか?毎度のことながら、今年もあっという間に年の瀬となってしまいました。となると、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る時期が来たということでもあります。 2016年購入した書籍は138冊。そのう…
後藤明生が醸し出すグルーヴ感に浸ること 『挟み撃ち』は当時の僕にとってはロックであり、リズム&ブルースだった。ちょっと抽象的な表現だけれども、要はこういうことである。日々の労働に浸された身体にとって、リズム&ブルースというスウィング感のある…
ついにコレクションが 最近、後藤明生の周辺が賑やかだ。大変めでたいことである。思えば、彼が亡くなった1999年以降、僕はてっきり、ほどなく全集がでるものだと勝手に思っていた(しかもK談社で)。しかし時は流れ、彼の作品が気軽に読める文庫版も品切れ…
先日、毎朝のルーティンワークとして、インターネット上の情報をあれこれ見ていたら、こんな記事を目にした。 「穴水町立図書館が寄贈図書廃棄」 www.chunichi.co.jp あー、またこんなことがあったのか。はてなブクマやtwitter上での反応の多くが、この処分…
21世紀のAmerican Popular Musicを奏でているDylan 今月(4月)に入って、日本の主要都市でツアーを行ってきたDylan. 一緒に行ったM氏から予めset list&音源を送ってもらっていたので、だいたいこんな感じの曲をやるんだなーとはわかっていた。けれども、…
どうもご無沙汰しております。皆様、お元気だったでしょうか?こちらは相も変わらず、俗事にもまれにもまれた日々を過ごしております。が、24・25日の2日間は、僕にとってのコペルニクス的転回をもたらしてくれた2日間でした。主人公は、吉増剛造とBob…
ヴィジュアル本で想像の旅を巡る 芳賀日出男『日本の民俗 祭りと芸能』(角川文庫) 二村 悟(監修)『ニッポン産業遺産の旅』(平凡社) 細萱 久美『函と館』(平凡社) さて、今年はヴィジュアル本をそれなりに購入しました。仕事の一環というのがほとんど…
えー、振り返れば、もう年の瀬。相変わらずの貧乏稼業ということで、慌ただしく過ごしております。 さてさて、年末恒例の積読状態の書籍から振り返る2015年。購入した書籍は104冊。そのうち、積読状態の書籍は63冊。実に6割ほど買ったのに読んでな…
◯月◯日、西脇順三郎『野原をゆく』読了。70の坂を登ろうとする西脇が、戦前から戦後にかけてあちこちで書いてきた随筆をまとめたもの。「四季の唄」「私の植物考」「詩人の憂鬱」「漂泊」「永遠への帰郷」の5つのセクションに収められている。ちゃんど編…
前回の記事で、積読状態を少しでも解消すべく、次に何を読めばいいかと尋ねましたところ、いろいろと選んで下さいました。ここで改めてお礼申し上げます。有難うございます。 そんな訳で、今日から以下の順序で読んでいこうと思ってます。 西脇順三郎『野原…
相変わらず、積読状態の書籍が増える一方である。そして、いざ1冊読み終わると、次にどの書籍を読んでいいか途方にくれているのが現状。 そこで、見て下さっている方々にご相談。以下に列挙する書籍の中で、小生が次に読んだらいいんじゃない?という書籍を…
今年の年頭に掲げた目標のひとつに「再読」があった。今年も残りあと3ヶ月になろうとしているが、今のところこの目標は達成できる見込みはない。そもそも再読をあまりしないから、古きをたずね、新しきを知るために掲げた目標だった。 振り返れば、小説の場…
前橋の街中を流れる広瀬川
なんだか2014年があっという間に過ぎていってしまうと感じるのは、年齢のせいなのだろう。気がつけばもう大晦日。毎年、拙ブログで我が読書を振り返っているが、今年は視点を変えて、2014年に購入し積読状態のままだけれども、気になっている書籍を…
『きょうの猫村さん』の世界像 『きょうの猫村さん』3巻をお話する前に、この作品の世界像を見ておきましょう。身よりのない猫だった「猫村ねこ」(以下、猫村さんと略す)が、以前飼われて家のぼっちゃんに躾けられた家事全般の能力を見込まれて、たまたま…
えー、皆さんはじめまして。数年前、志賀直哉の『暗夜行路』における主人公とその妻との関係について、ジョン・バースのエッセイをモチーフに語ったことがありました*1。今回は、最近ふたたび読み返した漫画をとりあげようと思ってます。その漫画とは『きょ…
哲学者の木田元氏が亡くなった。享年85歳。亡くなったこと以上に、主要新聞等で亡くなったことが報じられたことに驚いた。そっか、僕が思っていた以上に社会的に著名で影響力のあった方だったんだなと改めて感じた。 木田氏の名前は僕にとって、青春のかたわ…
今月に入り、いきなり読書欲というか、本を読みたいという気持ちが俄然強くなってきた。こんな気持ち、かなり久しぶりである。1と3以外は、研究活動のために読んだ書籍である。
小生の新春恒例の行事は一応ある。9時半すぎまでは箱根駅伝を見て、それから近くの百貨店で催される古書市をひやかすこと。今年も無事、この恒例行事をつつがなくとりおこなった。
以前、2013年は小説をまったく読まなかったと述べた。しかし、これはかなりの嘘つき(と物忘れ)で、何冊かは読んでいた。